忘れていたあれこれまで思い出す

『ココアどこ わたしはゴマだれ』
高山なおみ スイセイ 著

 高山と当時の夫スイセイによる対話。

「二人の運命の出会いが感動的。私はこの人を待ってたんだ……と一瞬で気づく高山さんの心情描写がヴィヴィッドで、忘れていたはずのことまで思い出してしまいます」(三浦哲哉さん)

夏の恋を体験したような気持ちに

『夏の前日』
吉田基已 著

 芸大生と画廊を営む女性の夏の恋。

過剰なくせに終わりの寂しさをはらんでいて、夏は恋に似ていると思います。繰り返し読むうち自分もひと夏の恋を描きたくなり書いたのが『神様の暇つぶし』です」(千早さん)

四人の少年少女の錯綜を描く

『H2』
あだち充 著

 少年少女四人を主人公にした物語。二人の少年がそれぞれ通う高校の甲子園出場を目指して奮闘し、そこに少女たちの少年たちへの想いが錯綜する。

「恋愛漫画ではないですが『やっぱ野球部!』という気持ちに」(加納さん)

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CREA 2021年秋号
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