熟練の職人さんが生菓子を作る過程を間近で拝見!
鶴屋吉信 東京店(東京・日本橋)
甘味:生菓子、あんトースト、いちご抹茶パフェ
「作りたて」の和菓子を食べられる機会はそうそうありませんが、だからこそ「鶴屋吉信」のカウンター席「菓遊茶屋」は特別な存在。そこでは、熟練の職人さんが生菓子を作る過程を間近で拝見し、できたての生菓子を味わえるのです。
創業1803年の老舗「鶴屋吉信」は全国に多数の支店を展開していますが、店内に「菓遊茶屋」と名付けられたカウンター席が設置されているのは、京都の本店2階と、2013年に三越前にオープンした東京店のみ。今回伺った東京店の「菓遊茶屋」は、COREDO室町3の1階から店内に入ると、すぐ右手にあります。
「菓遊茶屋」で楽しめる生菓子は、常時3種類ほど。席に着くと、職人さんが和菓子のサンプルを出して説明してくれるので、その中から好みのものを選んで注文しましょう。メニューは半月ごとに替わるシステムで、たとえば「福桜」は、東京店限定で3月上旬に登場する生菓子。職人さんの説明によると、「小麦粉と餅米の生地に白あんをまぜて蒸し上げた“こなし”製」だそうです。
愛らしい姿に惹かれて「福桜」を注文すると、職人さんが材料の生地の塊から必要な量を切り取り、“さらし”に包んでまるく成形し始めます。棒状の道具や指を使って花弁の形が整えられたら、次に黄色い生地が網目に通され、雌しべの部分が作られます。そして美しい桜が完成するまでの時間は、わずか数分。目の前で生菓子ができあがっていく過程は、カウンター割烹さながらの臨場感です。
菓子皿に盛られた「福桜」は、やや大きめサイズ。黒文字で4つに切って一口いただくと、口当たりはしっとりとなめらかで、上品な甘さが広がります。
同じく3月上旬に登場する生菓子「山吹」も、やはり4、5口分の大きさ。「菓遊茶屋」で実演される生菓子は、どれも店頭販売の生菓子(約5種類、1個432円)より大きめですが、聞けばお茶会用の生菓子と同等のサイズなのだとか。
2016.02.25(木)
文・撮影=小松めぐみ