どうせならアートのあるホテルに泊まる!
 エクステリアを印象付ける作品は、アメリカ在住のフランス人アーティスト、大御所ベルナール・ヴネによるもの。巨大な鉄の作品で知られる彼の代表作を彷彿させるこの作品は「The Arcs」。弧を描く3つの鉄が並ぶ。
エクステリアを印象付ける作品は、アメリカ在住のフランス人アーティスト、大御所ベルナール・ヴネによるもの。巨大な鉄の作品で知られる彼の代表作を彷彿させるこの作品は「The Arcs」。弧を描く3つの鉄が並ぶ。
シンガポールの国を挙げての芸術振興は、文化的アイデンティティを求めるだけでなく、観光滞在のツーリスト獲得も目指しているといわれている。確かにシンガポールは、いまやアジア一おいしいグルメの街だが、観光となると……ちょっと淋しいかもしれない。美術愛好家やアートマーケット狙いに加えて、ツーリストも増えてくれればというのも願いのようだ。
そこで、今回開館した「ナショナル・ギャラリー・シンガポール」を訪れる際に、おすすめしたいホテルが「カペラ・シンガポール」だ。
 ロビーの壁にも現代アートの作品が並ぶ。コロニアル棟にも、コンテンポラリー棟にも違和感なくなじむのは、作品選びとインテリアセンスの良さか? 手前は“アフリカの豊穣”にインスパイアされたGeorge Chemecheの作品。奥に見える作品は韓国生まれのクリエイター、ハテム作。
ロビーの壁にも現代アートの作品が並ぶ。コロニアル棟にも、コンテンポラリー棟にも違和感なくなじむのは、作品選びとインテリアセンスの良さか? 手前は“アフリカの豊穣”にインスパイアされたGeorge Chemecheの作品。奥に見える作品は韓国生まれのクリエイター、ハテム作。
このホテルグループ「カペラ」は、かつてリッツ・カールトンの伝説的ホテリエといわれたホルスト・シュルツェ氏が“自分のつくりたい理想のホテル”として、リッツ退陣後にスタートさせたことで知られる。
で、そのウルトラ・ラグジュアリーな世界観ももちろん素晴らしいのだが、今回の美術館訪問にふさわしいことに、現代アートのコレクションがとても充実しているのだ。館内そこかしこに飾られた作品を堪能するだけでも、これがなかなか楽しい。
 ヴィラのマスターベッドルームにも印象的な作品が掛けられている。ちょっと水墨画のようなイメージのモダンアートは、心落ち着く。
ヴィラのマスターベッドルームにも印象的な作品が掛けられている。ちょっと水墨画のようなイメージのモダンアートは、心落ち着く。
 別のヴィラのダイニングには、ちょっとポップな作品が。リピーターになると、アート作品の好みで部屋を選んだりするのかな……。
別のヴィラのダイニングには、ちょっとポップな作品が。リピーターになると、アート作品の好みで部屋を選んだりするのかな……。
で、この現代アートの似合うスタイリッシュなホテルを設計したのが、英国人建築家にして男爵のノーマン・フォスター&パートナーズだ。NYのワールドトレードセンター跡地の新設計を勝ち取った建築家。
19世紀のコロニアル建築とコンテンポラリー建築を融合させた手腕はさすが。シンガポールのダウンタウンとは違う、セントーサ島という自然の中に、喧騒とは無縁の世界をつくり出している。ほんとに、静か。とてもノンビリできる。
 コロニアル建築と近代建築に挟まれた中庭に見えるUFOのようなものは、シンガポール初の自然光の入るバンケットルームだそうな。
コロニアル建築と近代建築に挟まれた中庭に見えるUFOのようなものは、シンガポール初の自然光の入るバンケットルームだそうな。
そしてさらに納得なのが……。シックでいて退屈でなく、シンプルでいて冷たくない内装を手掛けているのが、ジャヤ・イブラヒム氏。多くのアマンリゾートを手がける世界有数のインテリア・デザイナーだが、ここでも見事な空間をゲストに提供してくれる。華美ではなく、でもとても上質で、居心地満点のインテリアは、自宅にも取り入れたいコツ満載!
 港の景色が一望にできるセントーサ・スイート。ラグジュアリーであり、かつとても機能的。ベッドヘッドの裏に、両サイドから行き来のできるクローゼットがあり、これが実に便利だった。
港の景色が一望にできるセントーサ・スイート。ラグジュアリーであり、かつとても機能的。ベッドヘッドの裏に、両サイドから行き来のできるクローゼットがあり、これが実に便利だった。
 左:クローゼットに素敵な小箱を発見。で、蓋を開けてみたら防虫セット。蚊取り線香あり、ケミカルな虫除けが嫌な人にはハーブの防虫スプレーの用意もあり。
左:クローゼットに素敵な小箱を発見。で、蓋を開けてみたら防虫セット。蚊取り線香あり、ケミカルな虫除けが嫌な人にはハーブの防虫スプレーの用意もあり。右:ホチキスとかクリップまで、整ってます。
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- 文・撮影=大沢さつき
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