要チェックのレストランが次々登場する受賞式

エントリーされること自体が名誉。来場するシェフが次々にサインをしていく。

 9月23日、いよいよ「ラテンアメリカ・ベストレストラン50」の発表だ。会場となったのは、16世紀にイエズス会の学校として建てられたサン・イルデフォンソ学院。今はイベントなどに利用されており、中にはディエゴ・リベラの壁画がある。

左:会場のブースで振る舞われたチキンとモーレソースの料理。
右:メキシコ観光局による、華やかな伝統工芸であるタペテ・デ・ウアマントラの展示。

 発表舞台の会場では、エントリーされたシェフたちが早々と来場し、壁にサインを書いて写真を撮っている。ホスト国であるメキシコ、メイン・パートナーであるアクアパンナとサンペレグリノをはじめ、スポンサーのブースを囲んで、シェフやレストラン経営者、ジャーナリストが、受賞の予想やら情報交換やらで盛り上がっている。

 いよいよ発表が始まった。50位から順に発表され、ところどころに女性シェフのベストやパティシエのベストなどカテゴリーのトップが挟まって発表されていく。あちこち入賞を祝ってキスと抱擁の嵐でラテンアメリカらしく明るい表彰の場。

25位に入ったチリの「オオサカ」は日本料理のレストラン。盛りつけが繊細。

 食事をした「プジョル」と「ビコ」の受賞はいかに? 20位過ぎてからそわそわ。

 結果は「ビコ」が10位、「プジョル」が9位。

「ビコ」は10位にランクイン!
「プジョル」は9位。さすがというべき結果。

 そして「プジョル」のオーナーシェフであるエンリケ・オルベラは功労賞も受賞。確かに、彼の料理はインターナショナルな中で評価される料理でありながら、メキシコ料理の伝統を汲んだ素晴らしいものだった。またあの味に出会うべくメキシコに行きたいと思う料理を出してくれた。

「プジョル」9位入賞で笑顔を浮かべるオーナーシェフ、エンリケ・オルベラ(右)。
オルベラに功労賞を提供したのは、スポンサーであるダイナースクラブ。

 さて1位はどこか? セレモニーが進む中で、ランクインした店が各国の首位にあたる場合は、その都度、ベスト・メキシコ、ベスト・ブラジルという結果も同時に発表していくので、おのずと残りは“あの国”というのが分かってくる。

 どうやら1位は、昨年の「ラテンアメリカ・ベストレストラン50」開催国であるペルーのレストランらしい。1位獲得のレストランの報告とメキシコで見たラテンアメリカの豊かな食材などを、次回、レポートする。

【取材協力】
メキシコ観光局

URL http://www.visitmexico.com/ja/

小野アムスデン道子 (おの アムスデン みちこ)
ロンリープラネット日本語版の立ち上げより編集に携わったことから、ローカルグルメや非日常の体験などこだわりのある旅の楽しみ方を発信するトラベル・ ジャーナリストへ。エアライン機内誌、新聞、ウェブサイトなどへの寄稿や旅番組のコメンテーター、講演などを通して、次なる旅先の提案をしている。
Twitter https://twitter.com/ono_travel

2015.12.28(月)
文・撮影=小野アムスデン道子