社会科見学気分で工場とミュージアムを歩く

マスター・クラフト・スタジオでは、ベテランの職人さんの指導で陶芸に挑戦! 職人さんのデモンストレーションも必見です。

 さて、いよいよ工場見学ツアーへ。ガイドをつけてもらうことも可能ですが、申し込み順の定員制なので、早めにレセプションに申し込みましょう。ひとつのプロダクトができあがるまでの作業の工程を、詳しく解説してくれます。

 日本でも人気の高いワイルドストロベリー柄のティーカップが、釜に入る前の黄色い釉薬をつけられた状態で並んでいたり、タトゥーをまとったいかつい職人さんが、24金の金箔の繊細な模様をあしらった、美しいお皿を魔法のような手さばきで作り出していく様子に見とれたり。さながら大人の社会科見学のようです。

 工場見学の最後にある、マスター・クラフト・スタジオでは、ベテランの職人さんの指導のもとで、実際にろくろをまわして、自分自身の作品づくりに挑戦することもできます。

左:ウェッジウッドの伝統技法、ジャスパーウェアの実演中。
右:型にはめて作ったモチーフを貼りつける、繊細で緻密な職人の技。
モチーフを貼り付けられたジャスパーウェア。
ミュージアムに展示された古いパターンブックの一部。ウェッジウッドでは、創業から現在まで、すべてのパターンが記録保存されています。

 さらに、ミュージアムでは、英国陶磁器の250年の歴史を俯瞰する8000点以上もの貴重な展示品を所蔵。そのうち3500点が展示されています。なかには、創始者ジョサイア・ウェッジウッドが、丈夫な陶器を制作するために、試行錯誤を繰り返した粘土の配分の実験記録もあり、彼の陶磁器に対する激しい情熱が時を超えて伝わってきます。

 こちらも平日の11時から14時30分まで、毎日ガイドツアーが行われているので、興味のある方は、この時間を狙うのがよいでしょう。工場見学も、ミュージアムも、見どころ盛りだくさんなので、ショッピングやお茶の時間も計算に入れて、なるべく時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。

World of Wedgwood(ワールド・オブ・ウェッジウッド)
所在地 Wedgwood Drive, Barlaston, Stoke-on-Trent, Staffordshire ST12 9ER
電話番号 +44-01782-282986
開館時間 10:00~17:00(土・日曜は~16:00) ダイニング・ホール 8:30~、ティールーム 12:00~
入場料 工場見学ツアー 10.00ポンド、ミュージアム 7.50ポンド、ディスカバリー・エクスペリエンス(工場見学とミュージアムのセット券) 15.00ポンド
URL http://www.worldofwedgwood/

安田和代(KRess Europe)
日本で編集プロダクション勤務の後、1995年からロンドン在住のライター編集者。日本の雑誌やウェブサイトを中心に、編集・執筆・翻訳・コーディネートに携わる。
ロンドンでの小さなネタをつづったフェイスブック www.facebook.com/kresseuropelimited
運営する編集プロダクションのウェブサイト www.kress-europe.com