「古美術」というと、床の間に飾るもの、厳重に保管するもの、と思っていませんか? 制作当時の用途とは違うけれど、食器や花器などとして、暮らしの中に取り入れて使う楽しさをご紹介します。
» 第1回 縄文土器に色鮮やかな花を生ける
» 第3回 伊万里焼とデルフト焼のコラボ
» 第4回 印仏と須恵器をベッドサイドに
大海原を何度も越えて
【jewelry case】
近代英国上流階級の浴室から、現代日本の浴室へ
近年、中国陶磁器の需要がうなぎ登りだが、清時代にヨーロッパの上流階級が中国へ注文して焼かせた陶磁器類は、まだ価格も控えめ。西洋風の生活に合わせた形状、シノワズリの流行にのった「いかにも」な中国風の色柄とで、使い方を考えるのが楽しい。
高価な貴重品だった石鹼を入れるための容器を、ジュエリートレイとしてパウダールームに置いてみた。50,000円(古美術 吉戸)
ピアス 47,000円/モナカ ジュエリー、リング(ライター私物)
橋本麻里(はしもとまり)
日本美術を主な領域とするライター、エディター。明治学院大学・立教大学非常勤講師。著書に『変り兜 戦国のCOOL DESIGN』(新潮社)ほか。共著多数。美術史や美術展の点と点を線で結び、全体像を踏まえたわかりやすいトークで、青山ブックセンターでの講座「橋本麻里から学ぶ日本美術のABC──歴史と美術の地図をつくる。」も人気。
CREA WEBではカルチャーコラム<橋本麻里の「この美術展を見逃すな!」>を連載中。
2014.06.09(月)
文=橋本麻里
撮影=三部正博
スタイリング=石黒綾
フラワーアレンジメント=関美香