世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。
第111回は、大沢さつきさんが、『赤毛のアン』の舞台となったプリンス・エドワード島を訪れ、オーガニックフードや伝統クラフトが彩る素敵な暮らしをレポートします。
アイランダーたちが愛する“世界でいちばん美しい島”
カナダの東端、東京都の約3倍もの広さのあるプリンス・エドワード島(略称PEI=Prince Edward Island)は、『赤毛のアン』の舞台となった島。作者のルーシー・モード・モンゴメリが生まれ住んだ島でもある。緑の美しい、夏には避暑地としても人気の場所だ。
そして、島の住人たちは自らを“アイランダー”と名乗り、ここに住むことを楽しみ、かつ誇りをもっている。プリンス・エドワード島大学には「島しょ学科」なるものが設置され、世界中の主要な小さな島を研究しているほど。みんな“島”を愛してます。
右:赤土とのコントラストが見事なタンポポ畑。休耕地が真っ白なデイジーで埋まることもある。
島はなだらかな丘陵地帯で、真っ赤な土で覆われている。これは二酸化鉄の成分が多く含まれているからだそうで、一説には、かつての氷河が水溶性のアルカリ成分を洗い流してしまった結果ともあるが、さて?
いずれにせよこの赤土がPEIの特徴。道も、切り立った崖もみんなこの赤い土でできている。アンの赤毛もこの赤土からインスパイアされたのではと思うくらいだ(『赤毛のアン』の原題は『Anne of Green Gables』だが、主人公の設定はもちろん赤毛)。
右:可愛い灯台も崖側から見ると、ちょっと男性的。波打際の海の色が、赤土に染まっているのが分かると思う。
PEIには数え切れないほどのフォトジェニック・ポイントがあるが、灯台もそのひとつ。19世紀に建てられたいくつもの灯台が、あるものは内部を公開していたり、またあるものは売りに出されていたりしている。島の内陸部にもひとつ、ドンと据えられた灯台があって、ちょっと微笑ましい。やはり灯台は海のブルーを背景にしたほうが映えると思うのだけれど……。
現地には灯台巡りのツアーもあって、中には、タイタニック号からの救難信号を最初に受け取った無線基地が、敷地内にあったという灯台も。なかなか歴史を感じさせます。
2015.11.10(火)
文・撮影=大沢さつき