YASUYO/藤岡康代(ふじおか やすよ)さん
家族:夫、長女 怜来(レイラ)ちゃん 8歳

会社名:FUNFAM株式会社
肩書き:代表取締役
勤務体制:フルタイム

 元CAと言われて思わず納得。スラリと気持ちよく伸びた背筋、きりりとしたお顔立ちの藤岡康代さん(以下YASUYOさん)。現在FANFAMの社長として、多忙な毎日を送る。

 CAは天職かと思うほど楽しい日々だったそうだが、結婚を機に退職。嫁ぎ先は家具屋さんの3代目だった。

 もの作りも大好きなYASUYOさんは、嫁ぎ先の会社でも熱心に働いた。しかし、時代は森林伐採問題や海外からの木材輸入禁止といった、環境保全のために自然を荒らさないよう制限をする法律が出来始めた頃であった。

 木材を使った家具作りだけに頼るのは将来不安定であると考え、竹を使った家具を作り、さらに小物を作るようになっていく。そして竹を使った子ども用食器「FUNFAM」を開発。

 竹食器を作り始めた当初は、ちょうど怜来ちゃんが生まれたころでもあった。怜来ちゃんを職場に連れて行き、泣いたらあやし、寝れば仕事を再開するという仕事ぶりだったという。さらに食器に合うオリジナルレシピ開発(RECIPE BY FUNFAM)をプロデュースし、親会社から独立。現在5期目(竹食器を作り始めてからは9年目)となる。

 CA時代から食に関しての探究心は強く、海外から戻るたびに各国の料理の味を自ら再現し、趣味でノートに記録していたことで「お子様フレンチ」というアレンジレシピが誕生。

 また、怜来ちゃんが重度のアレルギー体質で、食事の記録を離乳食時期から2歳前後までずっとつけていたことは、アレルギーに悩む親たちの助けになるレシピ作りの参考になった。

 こうして、それまでの辛い経験も楽しい経験も全て仕事に役立てることができ、今では単なるレシピ作りに留まらず、離乳食スクールの運営へと発展している。

 現在「離乳食スクール by YASUYO」などを通して、イベントやスクールの離乳食講座でひっぱりだこのYASUYOさんだ。

小学3年生となった長女の成長ぶり

 長女の怜来ちゃんは、小学3年生となった。

 「乳幼児期から今まで、保育ママ、幼稚園の延長保育、お友達のママとの預け合い、実家の親にヘルプを出すなど、その都度、綱渡りをしながらやってきたけれど、今年3年生になって急に楽になった気がします」と、YASUYOさんは笑顔で語ってくれた。

 YASUYOさんは、怜来ちゃんが学童クラブから帰ってくる18時過ぎ(習いごとがあるときには19時頃になることも)までには何がなんでも帰宅するよう心がけていた。けれども最近は、怜来ちゃんが「大丈夫。そんなに急いで帰ってこなくても」とクールに言ってくれることもあり、その成長に目を見張る。

 帰ってみると、怜来ちゃんが洗濯物を取り込んでくれていたり、犬の散歩をしておいてくれることも。

 「『自分でできることはないかな』と考えられるようになってきたのがうれしいですね」と語る。

 どうしたらそんなふうに育てられるのか聞いてみると、「うーん。どうしてかしら? ずっと共働きだから、自分の置かれている環境をわかっているんじゃないでしょうか」とのこと。

 親が子どもに対して罪悪感を感じたりせず、当たり前のように毎日一生懸命働いている姿を見せていれば、子どもはわかってくれるのだろう。

 「ママのがんばりは、子どもに伝わります。それが実感できる瞬間というものが必ずありますよ。それを信じて、ママたちがんばって」とエールを送る。

 港区は2015年から学童クラブを6年生まで利用できるようになった。行政の後押しもあり、YASUYOさんの仕事環境は整ってきた。今後ますますパワーアップしていけるだろう。

離乳食スクールでは、単にレシピを伝えるだけではなく、アレルギーの相談にも親身に応じる。

 さて、忙しいYASUYOさんに、働くママへおすすめのものを聞いてみた。

2015.10.23(金)
文・撮影=HITOMINA