純喫茶女子・難波里奈さんが読みたい本を片手に訪れる、東京の選りすぐりの喫茶店4店をご紹介します。

» 第1回 【神保町】4色揃ったクリームソーダ「さぼうる」
» 第2回 【吉祥寺】レモンの黄色が映える「茶房 武蔵野文庫」
» 第3回 【銀座】文豪も通った老舗「銀座ウエスト 銀座本店」

◆ MATTERHORN (マッターホーン)

地元で長く愛されてきたハンドメイドの味

 学芸大学の駅前にある店舗は創業1952年。手前のショーケースは名物のバウムクーヘンをはじめ焼き菓子やケーキを求める地元のお客さんで朝から賑わう。

チョコ、チーズ、ココナッツなど人気のサブレは単品70円~。

 奥のスペースに設けられた喫茶室には初代店主と親交のあった洋画家・鈴木信太郎による絵画が飾られ、路地に面した大きな窓から入る光が明るくて読書する目にも優しい。オレンジシロップを用いたクリームソーダは、グラスの下に添えられたコースターも鈴木画伯のイラスト入りで嬉しいところ。

左:看板や包装紙とは絵柄が違う長方形のクッキー缶を目当てに訪れるお客さんも多いとか。
右:ピンクの看板にも鈴木画伯のイラストが。

 クラッシュアイスの氷はゆっくりと溶け込むため、だんだんまろやかになっていくオレンジソーダを時間差で満喫できる。アイスクリームは併設の製菓工場で作られた自家製。日々の生活に馴染んだ味と空間が和やかな一時をもたらす。

● クリームソーダを飲みながら読みたい本

『アンソロジー おやつ』

森茉莉、阿川佐和子、向田邦子から久住昌之(『孤独のグルメ』原作)まで総勢42人による「おやつ」のショートエッセイ集。

PARCO出版 1,600円
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

nanba's ここがいい!
ここのシンプルな喫茶室から窓にかかる薄いレースのカーテン越しに眺める世界が好きです。小さい頃に父親が買ってきてくれたケーキはこちらのものでした。そんなノスタルジックな思い出を色々な方が描くおやつの話に重ねて。

MATTERHORN(マッターホーン)
所在地 東京都目黒区鷹番3-5-1
電話番号 03-3716-3311
営業時間 10:00~19:30(L.O.19:00)、ショップは9:00~
定休日 火曜
クリームソーダ 630円
URL http://matterhorn-tokyo.com/

● 今回お話を伺ったのは・・・

難波里奈(なんばりな)さん
東京喫茶店研究所二代目所長。純喫茶をこよなく愛し日本全国を訪ね歩く『純喫茶コレクション』(PARCO出版)の著者。二冊目となるさらにディープな集大成『純喫茶へ、1000軒』(アスペクト)も発売中。

クリームソーダと楽しむ読書
選りすぐりの東京喫茶店アドレス

2015.08.27(木)
text=Chisato Nasu
photographs=Tamon Matsuzono

CREA 2015年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この特集の掲載号

本とおでかけ。

CREA 2015年9月号

街へ公園へ、空想の世界へ
本とおでかけ。

定価780円