カステラの原型「パォンデロー」がこれ!
「ポルトガルには、カステラという名前のお菓子はありません」と智子さん。
カステラは16世紀にポルトガルの宣教師が日本に伝えたといわれています。その原型と考えられているのが「パォンデロー」。材料は卵、砂糖、小麦粉。バターなどの油脂類は使われません。卵と砂糖を一緒に泡立て、小麦粉を加えて窯で焼いたお菓子です。「ポルトガルで復活祭には欠かせないお菓子。地方によって、形も配合も焼き方も違う」と、3種類のパォンデローを焼き、「パウロのカステラ」を一緒に盛り合わせた「食文化比較体験セット」としてカフェで味わうことができるようにしています。
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大きく丸い素焼きの器で完全に火を通す「ミーニョ地方のパォンデロー」は、ふわふわ。「ベイラリトラル地方のパォンデロー」は、中が半熟状態。小さめの素焼きの器で焼かれます。卵黄のコクのある味わいが特徴。「エストレマドゥーラ及びリバテージョ地方のパォンデロー」は、銅鍋で短時間で焼き上げられ、ふわとろ。口の中でとろけます。
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そして、カステラは日本で改良を重ねられ、特に明治以降、水飴が加えられたことで、しっとりした食感になりました。ここの「パウロのカステラ」は、コクと旨味があって、一度食べたら忘れられません。
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右:「パウロのカステラ」1箱 750円、1切 200円。
食べ比べると、それぞれに異なる味わい。ポルトガルの各地を訪れてみたくなります。
2015.07.12(日)
文・撮影=そおだよおこ