【ステップ1】まずはご飯を詰めます

◆ポイント
 後から詰めるおかずの数や形に考慮し、少し丸くご飯を詰めました。

前回も言いましたが、ご飯を詰める前にあらかじめ、何をどれくらいどこに詰めるかを大体決めておくと、ご飯の配置によっておかずを詰めるスペースがより有効に確保できます。行き当たりばったりグセのある方は、少し心掛けてみるといいかもしれません。

 以前、私はよく紙に配置図を書いていました。初めての弁当箱を使う場合は、今でもたまにやっています。

【ステップ2】きんぴらごぼうを詰めます

◆ポイント
 Kさんのきんぴらごぼうはささがきでしたので、私も同じくささがきで作ってみました。ささがきで作るきんぴらごぼうの良いところは、長さや形が均一でなく、動きや変化がつけやすいところです。

 切り口の見え方を考えながら、ご飯に立て掛けるように詰めます。立てるとずり落ちるし、と気にされる方もいらっしゃるでしょうが、この時点で少々ずり落ちても全く問題はありません。

【ステップ3】ソーセージを詰めます

◆ポイント
 まずはソーセージを3本、底に寝かせ、重ねて詰めます。ここで、ステップ2で少しずり落ちが気になっていたきんぴらが、ソーセージによってピタリと止まります。

【ステップ4】ブロかかを詰めます

◆ポイント
 きんぴらごぼうとソーセージの間の、少し空いたスペースにブロかかを詰めます。

 詰める時に充分汁けを切ってください。それでも汁移りが気になるという場合は、小さめのアルミカップを使ってもいいと思います。

【ステップ5】残り3本のソーセージを詰めます

◆ポイント
 1本のソーセージを半分に切り、切り口に切り込みを入れてフライパンで焼くと花のように広がります。いわゆる、タコさんウインナーの要領ですね。

 詰め方は、切り口を見せるために立てて。これだけでグッと華やかになりますね。

【ステップ6】ちくわきゅうりを詰めます

◆ポイント
 スペースは、ないならないなりに作ったり、見つけたりするものですよね。でも、今回のちくわきゅうりのスペースは、作ったり見つけたりするまでもなく最初からありました。

 ブロッコリーとソーセージの間の弁当箱のフチに沿ったこのスペースは、まるでそのためにしつらえたかのように、1本の長さを3等分にしたちくわきゅうりの場所でした。思わずよっしゃと思う瞬間です。だからこそ、限られたスペースにご飯を詰める弁当作りは楽しいとも言えます。

 あ、それから、細かいようですが、切り口のきゅうりの向きは揃えた方が断然キレイです。

【ステップ7】ブロかかを詰め足します

◆ポイント
 “詰め足す”。

 聞き慣れない言葉ですが、これ以外に表現が思いつかない程、ピッタリな言葉です。一度詰めたおかずを、同じ場所に足して詰める。“詰め足す”のです。この方法は、一度に詰めてしまうと他のおかずが詰めにくくなってしまったり、後から全体を見てバランスをとりたい場合、高さの調整などにとても便利です。

 今回の場合なら、ブロッコリーを一度に詰めてしまっていたら、ちくわきゅうりはどこかにギュウギュウと押し込まなければならなかったかもしれませんね。

 “詰め足す”。使いこなせば、なかなか重宝するテクニックです。

【ステップ8】いり卵を詰めます

◆ポイント
 私も、いり卵はKさんと同じようにご飯の上にのせました。ご飯の上は、真っ白いキャンバスです。ということは、のっけ盛りは、ある意味アートなのかもしれませんね。苦肉の策ではなく。

【After】ソーセージにトッピングして完成

◆ポイント
 ソーセージの切り込みに極小ブロッコリーといり卵の一粒をトッピングします。いり卵に近い部分にはブロッコリーを、ブロッコリーに近い部分にはいり卵をそれぞれ配置しました。

 Kさんのお悩みのひとつである、色味も偏ってる感じというのは、きんぴらとソーセージ、ブロッコリーと(ちくわ)きゅうりというように、同系色同士が隣り合ってしまっていることが原因ではないかと思います。

 今回のおかずは大きく分けて3色。茶色、緑、黄色です。決してカラフルではないこの配色は、一歩間違うと、野暮ったいモッサリした感じになってしまいます。そこで、切り方や配置、ちょっとした飾り方が必要になってくるのです。対極にあると思われがちな、可愛いとガッツリの融合。

 頑張って目指しましょう。

【今日のまとめ】

・ときには一度詰めたおかずを、同じ場所に“詰め足す”ことも
・食材の切り方や配置、ちょっとした飾り方の工夫で脱・モッサリ感

おかずのレシピは『弁当パフォーマーまさきちの 弁当は人生だ!』に掲載中!
ブロッコリーのおかかあえ(ブロかか)(34ページ)/きんぴらごぼう(118ページ)

『弁当パフォーマーまさきちの 弁当は人生だ!』

おひとりさまOLである著者が自分のために作るリアルな弁当レシピ。毎日弁当を作り続けるための手抜き&時短のコツ、エッセイも 。

著・よりのまさみ
本体1,143円+税

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『弁当パフォーマーまさきちの 弁当ごよみ十二カ月』

大人気ブロガーによる、笑いと涙の“幕の内的”弁当日記&レシピ。バツ2、独身、毒舌の弁当ブロガーまさきちによる季節の弁当。給料日前でも、二日酔いの朝でも無理なく作れるお助けレシピ。

著・よりのまさみ
本体1,200円+税

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よりのまさみ
人気弁当ブログ「おひとりさまの食卓」(http://masakichi3.exblog.jp/)の主催者。広島県生まれ、広島の広告代理店勤務を経て、現在、福岡県の地元企業に勤める。バツ2独身ひとり暮らし。二日酔いの日でも、残業続きの日でも、懐の寒いときでも、無理せず作り続けることができる弁当レシピが大人気。著者に『弁当の本』(アールズ出版)、『弁当パフォーマーまさきちの 弁当は人生だ! 毎日作れる楽ウマレシピと手抜きのコツ』(文藝春秋)などがある。

Column

弁当パフォーマーまさきちの「弁当詰め方」道場

人気弁当ブログ「おひとりさまの食卓」を主宰する、まさきちことよりのまさみさんがお弁当の「詰め方」を指南。お弁当の詰め方にこだわるだけで、ふたを開けた時のインパクトが数倍にも。目からウロコの詰め方テクニックが満載です。

2015.06.23(火)
文・撮影=よりのまさみ