近郊には先住民が伝統を墨守して暮らす村も
また、チャンディダサから北へ約4キロ先にはトゥガナン村があります。塀で囲まれたこの村にはバリの先住民であるバリ・アガが独自の慣習の下、完全なる共同体を築いています。
“アタ”と呼ばれるつる草で編んだ工芸品は、クタやスミニャックのみやげ物店でも見かけますが、こちらが本場。また、二重絣のグリンシンは別名ダブルイカットとも呼ばれ、一枚織り上げるのに5~10年もかかる世界的にも貴重な布。お守り的な心の拠りどころにもなっているそうです。トゥガナン村ではグリンシンの制作を見学、製品を購入することもできます。
チャンディダサ郊外にはアマンキラやアリラ・マンギスといったラグジュアリーリゾートがあり、静かに過ごしたい人にとって穴場なハイダウェイでもあります。私自身、ふと、あそこに行きたいなぁと思い浮かべるお宿「ウォーターガーデンホテル」があるのも、チャンディダサです。
南部ビーチリゾートやウブドの森が、バリ島の表の顔なら、チャンディダサはもうひとつの顔。バリ島には他にも、ムンジャンガンやテンボック、ロビナなど、いくつもの顔があるので、訪れるたびにひとつずつ新しい表情と出会う楽しみもあります。
チャンディダサ
●アクセス ングラ・ライ国際空港から車で約1時間20分
●おすすめステイ先 ウォーターガーデンホテル
URL http://www.watergardenhotel.com/
古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/
Column
古関千恵子の世界極楽ビーチ百景
一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!
2015.04.18(土)
文・撮影=古関千恵子