Magnificent View #493
天壇(中国)
天安門や紫禁城と並び、北京のシンボルといわれる天壇は、明・清代の皇帝たちが天を祀り、五穀豊穣を祈った場所。1420年、明の永楽帝の時代に建立された後、何度か改築が行なわれ、現在の姿となった。
270万平米の広大な敷地にはいくつかの建物が点在しているが、ひときわ目を引くのが、ご覧の祈年殿。高さ約38メートルの建物は、釘を一本も使用せず28本の柱によって支えられている。
この建物には、古代中国の宇宙観がふんだんに取り込まれている。たとえば、屋根に配した青い瑠璃瓦は天を象徴するもの。さらに、建物内部の中央にある4本の柱は四季を、周囲に並ぶ12本の柱は12カ月、その外の12本は12時辰(1日を12で割ったもの)が表されているという。
随所に思想が盛り込まれ、壮麗な儀礼の舞台だった神聖な地、天壇。現在は、市民の憩いの場となっている。
Column
今日の絶景
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2015.02.05(木)
文=芹澤和美