各地のうまいものが集まるアンテナショップで脱・マンネリ鍋!
日本各地のお国自慢食材が揃う各ショップで、野菜や肉・魚、スープやタレはもちろん、シメのご飯や麺、お酒やデザートまで、鍋パーティーに欠かせない日本各地のご当地食材を徹底リサーチ。この冬は、東京にいながらにして日本のおいしいもので鍋パーティーを!
日本橋のラグジュアリーホテル「マンダリン オリエンタル 東京」の真正面にあり、海外からのお客さまも多数訪れる「三重テラス」。伊勢神宮や熊野古道など、いにしえの日本を体感できる名所が数多い三重県は、外国からの注目度も高いようです。こちらのおすすめ鍋食材は、赤身のおいしさに定評がある熊野地鶏。さらに海と山、両方の幸に恵まれた三重県らしい食材やおつまみを、ショップスタッフの南山有紀さんにきいてみました。
◆ メイン
熊野古道の谷水から取水したきれいな水と、抗生物質の入っていない安全な飼料。そして鶏が地面を歩ける「平飼い」というストレスの少ない環境で育てられた熊野地鶏は、赤身のおいしさで有名なのだそう。
「全体的に赤みの強い肉色で、うまみ成分を多く含んでいます。肉質はほどよい歯ごたえがあって、脂身にも鶏特有の臭みがないのが特徴。鶏鍋のメインにぜひお使いください」(南山さん)
◆ 野菜
こちらは、10月下旬~12月中旬ごろにとれた新鮮なこんにゃく芋を使ったプレミアムこんにゃく。旬の生芋100%の味わいが活きている、冬期限定販売品です。
「あまり知られていませんが、こんにゃくにも実は“旬”があるんです。原料は、和玉と言われるこんにゃく芋の伝統種で、生産量は全国で10%以下の希少種。他の品種よりも風味豊かで、粘り気が高いそうです」(南山さん)
味しみがよいそうなので、鍋にもぴったりですね。
◆ だし・調味料
明治10年創業のうどん・そば料理の老舗、「歌行燈(うたあんどん)」の味を再現しただしパックです。厳選されたかつおぶし、昆布、椎茸を使った、日本料理全般に使える万能だしで、うどんやそばのつゆはもちろん、鍋物の下だしにも適しています。
「なにげなく買っていかれたお客さまが、『あんまりおいしいので、驚いた』とリピートされることが多いんです」と、南山さん。
「新姫」は、三重県熊野市で偶然発見されたかんきつ類で、平成9年に品種登録された新種です。直径3センチ前後、重さ25~30グラムの小ぶりの果実はすだちのように酸味が強く、爽やかな香りが特色。その100%果汁を瓶詰めにしたのが「新姫果汁」です。
「地元の熊野市以外では、三重県民にもまだあまり知られておらず、『こんなものがあったのね』と驚かれるほどです。お肉系のしっかりした味の鍋にふりかけると、すがすがしい香りが広がって、おすすめですよ」(南山さん)
◆ シメ
コクのある熊野地鶏の鍋のあとに、さっぱりした蛤うどんを別碗にしていただくのもよさそう。蛤といえば、言わずと知れた三重県桑名の名物ですが、絶滅しかかった時期があり、漁獲量が制限されている高級食材です。
その貴重な蛤を真空パックして、うどんとつゆをセットにしたのが「桑名産蛤うどん」。こちらも「歌行燈」がプロデュースしている、上品な薄味が身上。お茶漬け感覚でいただきたいですね。
2015.01.30(金)
文・撮影=中津川詔子