世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。
第47回は、大沢さつきさんが満腹に苦しみながら考えをめぐらせた南北イタリア料理論を披露します。
おいしい。されど、胃がついていかない……濃厚なるイタリア料理
毎年6月のイタリア行き。今年は久々の北イタリア、それも美食の宝庫ポー川流域ということで、少々はしゃぎ気味で出かけたのだが……。
いやもう、それはおいしいのです。プロシュット、サラミ、詰め物パスタ、米どころのリゾット、こってりベシャメルソースのラザニアと、挙げ出したらキリがない。卵入りの生パスタもやはり“北”のイメージだ。
久しぶりのバターたっぷり、生クリームこってりの味。同行者いわく“背徳の組み合わせ”。日頃、体重を気にして控えていた禁断の、ハイカロリー乳製品は、やはり美味の素でありました。
ところが、2日3日と経るうちに異変が。自慢の“鉄の胃”が、重たい。食事中はおいしいので、ムサボルように食べてしまうのだけれども、食後の苦しさが半端でない。重たい胃を抱えて就寝。翌朝起きて、まだ重たい。ならばということで、食後は必ず消化を助けるディジェスティーボ(食後酒)を飲むことに。アマーロやサンブーカには薬草が入っているので、これで安心。
右:食後酒も、胃腸の消化を助けるというフェンネルティーも効果なく……。毎晩、お世話になったイタリアの胃薬。
しかし……。北イタリアの濃厚料理には、アマーロも完敗。結局、薬局で胃薬を買い、毎晩、お世話になることに。
2014.08.19(火)
文・撮影=大沢さつき