アペリティーボって??

アペリティーボにやってきていたキュートなミラネーゼ。この近くでお店をやっているそうです。

 薫風さわやかな季節、暦では、はや立夏を過ぎ、明るさを増す日差しに気分もなんだか明るくなるものです。イタリアはサマータイムに入り、すっかり日が長くなりました。仕事が終わってもまだ明るいと、なんとなく得した気分で、ウキウキとどこか寄り道したくなるのは私だけではないでしょう。今回はミラノから、ちょっと楽しい寄り道スポットをご紹介します。

左:まずはカウンターで好きな飲み物を注文します。
右:バーカウンターでさっと1杯、立ち飲みもイタリアンスタイル。

 イタリアのBARでは「アペリティーボ」をやっているお店がたくさんあります。アペリティーボとは本来「食前酒」という意味ですが、BARでいうアペリティーボとは、夕方から夕飯前の時間帯におこなわれるサービスで、1ドリンク+ビュッフェの軽食が食べ放題という、なんともうれしいシステム。

 小腹の空くこの時間帯に軽くつまみながら、一日の疲れを癒す1杯をクッとあける、この至福感がたまらないのです。

左:ワインもグラスで頼めます。
右:カクテルの種類も豊富。メニューにないものも材料があれば作ってくれます。

 イタリアの人たちは、仕事仲間や友人と、はたまた一人でふらっと立ち寄ってはこの素敵なサービスを楽しみます。少食な人ならここで夕飯が済んでしまいそうですが、そこは食べることが大好きなイタリア人、軽食で食事を済ませるのではなく、みんなこのあと夕飯をちゃんと食べ、食事を楽しみます。

 ここを待ち合わせにしてそのあと仲間と夕飯にでかける人もあれば、ここでしばしお酒とおしゃべりを楽しんで、それぞれの家に帰ってから家族と夕飯という人もあります。

 立寄り方は人それぞれですが、職場でもない、家庭でもない、第三の場所としてBARは人々の憩いの場であり、ほっとひと息つけるくつろぎの場として、人々は集います。そして、仕事あとの喉の乾きと、食事の間のちょっとした空腹をみたしてくれるアペリティーボが、さらにリラックスさせてくれるのです。

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文・撮影=藤原亮子