カメハメハ王の末裔ゆかりの博物館

威厳に満ちた堂々たるファサードには、バニース・パウアヒ・ビショップ王女の名と創立の年号が刻まれ、このミュージアムの歴史を物語っている。

 ハワイ州で最も歴史があり、ハワイの歴史と文化と自然に関わる所蔵品で世界一を誇るビショップ・ミュージアム。1889年に、カメハメハ王の最後の直系の末裔であったバニース・パウアヒ・ビショップ王女が亡くなった際に、夫であったチャールズ・リード・ビショップが創設した。

今年で125周年を迎えるミュージアムのなかでも一番由緒のある建物、ハワイアン・ホール本館。

 ハワイアン・ホールと呼ばれる本館は、ハワイの王族の歴史を集めたプリンセス・ケカウリケ・カヒリ・ルームと3階まで吹き抜けになっているハワイアン・ホール・ギャラリー、昨年改装を終えたパシフィック・ホールなどを中心に構成されている。

一日いても見足りないほどの充実した貴重な展示は、世界中からやってくる人を惹き付ける。
鳥の羽根でできたカヒリは、王族の象徴。貴重な鳥から限られた羽根を少しずつ集めて編み込んでいく工芸品は見もの。

 ハワイアン・ホールは、フロアごとにテーマが設けられている。1階は海にまつわる神話や信仰、西洋文化がやってくる前のハワイについて。2階は昔の人々の衣食住といった生活習慣や、言語やフラなどの伝統文化に関する展示。3階では、カメハメハ1世から始まったハワイ王国時代、そして20世紀の歴史を追っている。

2014.08.07(木)
文・撮影=神宮寺愛