驚くほど真っ暗な山道で…

 その山道は驚くほどに真っ暗で、人里とは明らかに違う静けさと寒さが周囲を完全に包み込んでいたそうです。

「……マジで誰もいないな」

「うん。てか、こんなに人気ないとさっきの貼り紙があったことの方が逆に違和感あるな」

 懐中電灯を持つTさんと、自身のスマホのライトで周囲を照らしているYさん。

「確かに。『監視カメラ作動中』って、どこにカメラあるんだよ」

 後ろを歩く2人の明かりに照らされていたO先輩。

「もう廃墟みたいになってるってことなんすかね。これなら人に見つかることもなさそう」

「心霊スポットなのにそっち警戒してんのかよ」

「いや、大事ですよ、そこは!」

 軽口を叩きながらしばらく山道を歩いていたそうですが、次第に周囲のあまりの静けさと、ただただ鬱蒼とした森の景色に飽きが来始めたそうです。

「アイスの森って言われてもなぁ~」

「今のところアイス要素ゼロのただの森ですね」

「これ、ワンチャンOBの先輩に騙された説も出てきたな……」

「やっぱそうっすよね……俺、言わないようにしてましたけど、100パー騙されてるって思ってましたよ」

「もっと早く言えよ、それ! だいぶ歩いて来ちゃっ……おっと」

 O先輩が何かに足を取られたようによろけ、懐中電灯の丸い光の輪からパッと姿を消しました。

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