後輩2人が足元に見たものは…
「ちょっ……大丈夫ですか?」
「いや、なんか足に当たって……」
TさんとYさんが先輩の足元を照らすと、一本の小さな木片のようなものが転がっているのが見えました。
『たまちゃん』
細長い木片には、黒い手書き文字でそう書かれていました。
「なんだこれ……」
しゃがみこみ木片を手にとってまじまじと眺めているO先輩と、彼を照らしているYさん。そして、訝しがる2人の少し後ろにいたTさん。
ふと彼が懐中電灯を周囲に向けると、それは闇夜にぼーっと浮かび上がったのです。
「え……ちょっと2人とも! これ!」
平べったく、両端が丸く削られた同じような細い木片。それが周囲の地面にボコボコと突き刺さっていました。
『ぴーちゃん』
『ムギ』
『マロン』
『きなこ』
「これ……お墓、ですかね?」
「……うっ」
Tさんの言葉を聞いて、慌てて持っていた木片を放り投げたO先輩。
「これ、アイスの棒だ。“アイスの森”ってそういう……」
「……誰かがペットを違法に埋めていた場所ってことなんすかね」
「ちゃんとお墓作ってやればいいのに、アイスの棒って……」
ふと、O先輩がジーンズのポケットからスマホを取り出しライトを点け、山道の向こうをパッと照らしました。
