新たに見えた意外な一面

 SEVENTEENとして活動を続けて約11年。DINOの最大の魅力は、大人の成熟を更新し続けながらも、デビュー当時からのピュアさも失われていないところだ。その片鱗は取材時にも垣間見えた。甘いものが好きと聞き、日本から持ってきたチョコレートを渡すと、「わぁ。(日本語で)チョコレート本当に大好きです! 家で食べます」と無邪気にはしゃぐ。

「若くしてデビューしたけれど、僕は自分の純粋さを失いたくなかったんです。さまざまなことを素直に受け入れ、感じ取ること。偏見のない視点、考え方。そういうものを、できるだけ変えずに守っていきたいと思っています。だからと言って、今もピュアなだけかと言ったらそうではありません。純粋さだけでなく、さまざまな魅力を積み重ねていきたいです」

 たとえば、どんな魅力?

 「自分の口で説明するのは恥ずかしいのですが……」と前置きしながら、こう語る。

「僕は派手な華やかさは苦手。自分自身の魅力も、作為のない素朴さなのではないかなと思っていて。CARAT(SEVENTEENファンの総称)の皆さんからは愉快で明るい人だと思っていただいていますが、実はすごく静かな一面もある。こうした二面的な魅力をステージでの表現に取り入れられたらいいなと思っています。今後は着飾った姿よりも、ありのままの姿をお見せできるかなとワクワクしているんです」

 ビッグアーティストになればなるほど、世界中からライブをしてほしいと声がかかり、過酷なスケジュールで各地を回ることになる。同時にクオリティへの視線は厳しくなり、SNSには率直な論評が溢れる―そんな時代にあって、SEVENTEENは毎年のようにワールドツアーを行い、常に観客を楽しませ、圧倒的な評価を得てきた。DINOはステージという場所についてこう捉えている。

 「僕は毎回ステージに立つ時は“今日、ここに初めて来てくれた人がいる”と考えるようにしています。僕らアーティストの側は日々公演を重ねていますが、お客さんにとってはその日が最初の一日かもしれない。そう思うと、自然と気持ちが引き締まりますし、より新鮮な気持ちで没入してステージに立とうと思えるんです。

 キャリアを重ねる中で、以前よりも確実に、緊張との向き合い方や、観客と呼吸を合わせる感覚はよくなったと思いますし、グループとしての実力も高まったと思います。でもステージへの情熱と、舞台に上がる前にドキドキする感覚。それは今も変わりません」

 彼にとってパフォーマンスとは生きること。息を吸う、歩く。そんな動作と同じように、自分の感情を身体のリズムにのせてきた。

「これからも僕の人生、僕の物語をダンスや歌で伝えていきたい」

 そう語るDINOが「今の自分にとって一番正直な曲」と明かすのが、昨年リリースした最新アルバム「HAPPY BURSTDAY」に収録されているソロ曲「Trigger (DINO Solo)」だ。

 力強いビートにDINOの滑らかなファルセットが重なり、情熱的で大胆な空気を纏った一曲。自ら手がけた詞にはこんな一節がある。

僕は引き金に指をかけた。
その姿が僕自身だということ。
僕たちふたりだけのスリラー。
鏡に映った僕の眼差しは暗くなる。
(中略)向き合う、迷路のような僕たちふたり。
(「Trigger (DINO Solo)」より)

「このアルバムには13人全員のソロ曲が収録されていますが、それぞれが“自分自身”という主題で楽曲を作ったんです。制作当時の僕は正直、頭の中にいろんな考えが渦巻いて迷っていた時期でした。それならば今のこの状態を率直に表現したほうが、聴いてくれる人に伝わるんじゃないかと思ったんです」

 振付にも彼のアイデアが盛り込まれている。

「たとえば、サビに銃を取り出す動きがあるんですが、最初は一度だけ入る振りでした。でも見た瞬間に『これはサビ全部でやるべきだ』と思って、提案したんです」

 昨年9月から始まったワールドツアーは、13人ではなく9人体制で行う初めてのツアーだったが、DINOがMCでステージをリードする姿が目立つようになった。

「結論から言えば、思ったほどうまくできないなと難しさを感じているところです。ただ、僕にはまとまらない状況を上手にまとめたいという欲があるようなんです(苦笑)。各チャプターの紹介を、現場のライブ感を活かしながらもっとうまく行えたらなあ。(日本語で)頑張ります」

 メンバーの掛け声から最後のサビへとつなぐ「HOT」の演出も、DINOの提案だ。

「リハーサルで思いついて『こうしたらもっとカッコよくなるんじゃないかな?』と提案したら、他のメンバーも同意見でした。公演をご覧になった方から良かったとお声をいただくのですが、4人の空白を埋めようと9人が一生懸命踊ったことで、印象に残るものになったのではないかと思います」

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