在来種米とは? 希少なお米を守るためにできること

 TTFが最初に取り扱いを決めたのは、この在来種のお米だったそう。在来種とは、日本の自然のなかで古くから栽培されている品種のこと。その土地で生活する人たちが育てた稲から未来のために種を紡いできたものだ。中でもTTFで扱っている「亀の尾」と「旭」という品種は明治期に発見された種で、コシヒカリやササニシキの祖先。アレルギーリスクの低い高アミロース米で、血糖値が上がりにくく、体にやさしいのも特長だ。

「TTFでは生産者と直接契約して予約購入することでも、田んぼを支えています。そもそも在来種は育てている人が少なくて、誰も育てなくなったらこの世から消えてしまう貴重な品種。僕たちからもさまざまな農家さんに声をかけて、在来種米を生産してもらうなど、未来に残す働きかけもはじめています」(相馬さん)

 価格高騰や米不足でお米の品種を選ぶこと自体難しくなっているが、在来種米という選択肢をまずは知ることから。

「ひと家族が1年に食べるお米は60kg程度といわれているので、毎日のお米をすべて変えるのではなく、そのなかから1/5、1/10を在来種米に、という感じで柔軟に考えてくれたら嬉しい」(相馬さん)

 また、グローサリーショップのほかに原宿の裏路地でレストラン「eatrip」を長く続けてきた野村さんは、今回の展示にあたり、お米の食べ比べをたくさんしたという。

「お米って本当にすごくて、藁にもすがるという言葉があるくらい、藁一本で万倍もの実りになるんですよね。屋根にもなり土にもなり、主食にもなる。『衣・食植・住』展でも展示していますが、上野長一さんという生産者さんの“いろいろ米”は、赤米や黒米、緑米など50品種を混ぜて植えています。炊くとお赤飯のようにきれいな色になって、もちもちしていてとってもおいしい。画一化させるのではなく、地域によっても生産者によっても、いろんなお米があっていいなって思っています」(野村さん)

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