この記事の連載

 漫画家・まんきつさんは、自他ともに認める“美容オタク”。気になる美容法や美容医療には片っ端から挑戦し、その体験を赤裸々に描いたコミックエッセイ『そうです、私が美容バカです。』が注目を集めています。

 新刊『そうです、私が美容バカです。極ツヤ』も、まんきつ流の美容法がもりだくさん! 後篇では、50代に入り、ひたすら「健康」を目指しているというまんきつさんに、やがてくる老後についても聞いてみました。インタビュー【前篇】を読む

まんきつさんインタビュー【前篇】を読む
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とんでもない美肌の持ち主・まんきつさんが明かす「やめて一番良かった美容法」

――「やめて一番良かった美容法=ダイエット」という言葉がグサッと刺さりました。

 そうそう、そうなんです。これ、見てください。前作と新刊のプロフィール写真を見比べると、新刊の方がちょっと若く見えるんですよ。

――確かに! 肌がパーン! と張って見えます。何が違うんでしょう?

 新刊の方が5キロくらい太っているんです。顔の肉が付いたことで若々しく見えているんですよね。背中に肉が付いていると“おばさん感”は出てしまうんですけど、40、50代で体を細くすると、間違いなく顔がゲッソリしちゃう。どっちを取るか、悩ましいところではあるんですけど。

――うーん、確かに。でも、ベテランの女優さんを見ていると、年齢を重ねてふっくらしていても、すごく可愛らしかったりしますよね。そんな人生の先輩を見て、励まされることもあります。

 そうですね。いまの若いお嬢さんたちを見ていると、体重40キロくらいしかなさそうな方がいっぱいいますよね。20、30代は40キロでも全然オッケーなんです。でもね、40代後半になってガリガリだと……以前少し体重が落ちたとき、周りから「ちゃんと食べてる?」って心配されて、やっぱり健康的なのが一番だなと感じました。

――「具合が悪そう」に見られがちですよね。ちなみに、更年期に太るという声もよく聞きます。

 私はそうでもなかったんですが、体質なのか、二極化するような気がします。ほら、銭湯に行くと、ガリガリおばあちゃんチームと、ふっくらおばあちゃんチームに分かれるじゃないですか。若い頃は、自分は年がいっても、ずっとガリガリでいたいと思っていたんですが、40代後半になってふと、「ふっくらおばあちゃんの方がいいな」と思ったんです。多幸感があるし、肌もハリが出て胸やお尻もしぼんでいない。

――なるほど。そこから“デブ活”に……。まんきつさんといえば、これまで切開リフトや脂肪吸引など美容医療にもお金をかけてきた印象がありますが、いまやってみたい施術はありますか?

 ないです。

――即答ですね!

 切開リフトの効果が絶大だったので、ある程度現状に満足できているのもあるのですが。これ以上やるとしたらさらに大がかりな手術に手をだすことになるなと思ったんです。目の形を変えるとか、鼻を高くするとか。それで納得いかない仕上がりだったとき、修正費用に500万とか1000万とかかかっている人もいるんですよね。老後の資金も貯めないといけないし、私にはそこまでの余裕はない。だからもう、そっちには手を出さずに、健康や運動の方面で頑張ってみようかな、と思っています。

――セルフケアをはじめ、いろいろな美容法を試してきたからこそ、たどり着いたのが「健康」なんですね。

 そう、私、本当に健康になりたいんです。若い頃は「ガリガリ」に憧れていたし、まさか45を過ぎてからこんなに「健康になりたい」と思うようになるなんて、思ってもみませんでした。

2025.10.08(水)
文=河西みのり
撮影=平松市聖