この記事の連載
漫画家・まんきつさん インタビュー記事 #前篇
漫画家・まんきつさん インタビュー記事 #後篇
『そうです、私が美容バカです。極ツヤ』#1
『そうです、私が美容バカです。極ツヤ』#2
孤独死でも構わない。今の目標は“ピンピンコロリ”!

――手っ取り早くできる健康法ってなんでしょう?
骨を強くすることです。女性は閉経すると骨密度が減少します。そうなると、背中が曲がってしまうんですよね。母方の祖母がすごく背中が曲がっていたので、「これはカルシウムが必要だ!」と思って、ここ2年くらい、お米を炊くときに“ワダカルシウム”とビタミンEを必ず入れるようにしています。そうしたら先日、骨密度検査の結果が「若者よりも骨密度が高い」と出て。“ワダカルシウム”はガチです(笑)。
そうでなくても、年齢を重ねると、小指をぶつけるとか、ちょっとしたケガでも骨折しがちです。銭湯でおばあちゃんたちの会話を聞いていると、「転ばないようにね」って気遣い合っているんですよね。骨折して寝たきりになると、そこから一気に筋力や体力が低下して、老化が進むといわれています。だから、骨を強くすることはすごく大事だと思います。
――説得力しかないです。人生100年だとするとちょうど折り返し地点になりますが、どんな風に年齢を重ねていきたいと思っていますか?
いまの女性ってすごく長生きで、90歳くらいまで生きているじゃないですか。どう考えても、“おばさん”でいる期間の方が長いわけです。私はできる限り、最後まで自分の足で歩きたい。だから、そのために体を作っていくことしか考えていません。
やっぱりね、朝歩くのはいいですよ。歩いていると血流がよくなるので、マンガのアイデアも浮かびやすいんです。歩きながら構成を考えたりすることもあります。
――老いること、そのものに対する怖さはないですか?
老いる怖さというよりも、寝たきりになることだけは避けたいという感じです。息子の世話になりたくないんですよね。息子には今から「私の老後なんて、絶対に面倒見なくていいからね」と言っているくらいです。
――私は孤独死が怖くて……。
女性は一般的に男性より長生きすると言われていますし、最期を一人で迎えることも珍しくないですよね。私自身も、そのような生き方を自然に受け入れられるようになりました。
結局、人って“ひとり”なんですよね。私の両親はすごく仲が良かったんですが、父が2年前に他界して、母はいまひとりで暮らしています。だからいずれは孤独死するんだろうなと思っていて。もちろん、弟や妹も頻繁に実家に顔を出してはいますが、いつ何があるかなんてわからないし、そんなにタイミングよく死に目に立ち会えるとも限らない。だから、発見が遅れる可能性だって十分にあると思っています。
――孤独死を避けるために婚活をすすめられたりもするんですが……。
孤独死を恐れて婚活をするのは、少し違うような……。一般的に女性のほうが長生きですから、そう考えると、夫の介護をして見送って……結局はひとりで最期を迎える可能性が高いんですよね。それなら、私は自分の人生を自分らしく過ごしたい。誰かの世話になるより、最期まで元気で、自分の足でスーパーに行ってお惣菜を買えるくらいが理想です。
今の目標は“ピンピンコロリ”。そのためにも、やっぱり「健康」がいちばんだと思っています。
まんきつ
1975年、埼玉県生まれ。サウナ好きが高じてサウナを舞台に描いた漫画『湯遊ワンダーランド』(扶桑社)が2023年にドラマ化もされ話題となった。その他の著書に『アル中ワンダーランド』(扶桑社)、『ハルモヤさん』(新潮社)など。現在はマガジンハウスSHUROにて『そうです、私が美容バカです。』連載中。
https://shuro.world/manga/biyoubakadesu/

そうです、私が美容バカです。極ツヤ
定価 1,210円(税込)
マガジンハウス
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2025.10.08(水)
文=河西みのり
撮影=平松市聖