穀物や野菜を中心とした食事法、マクロビオティック。この連載では旬の食材を使った簡単マクロビレシピを紹介します。オールベジとは思えないしっかりしたおいしさと食べごたえは、週末のブランチや友人の集まるパーティレシピにもぴったり。ストイックになりすぎない「ゆるマクロビ」をはじめましょう。
夏みかんの手まり寿司
一見難しそうに見える手まり寿司ですが、ラップを使うことで手も汚さずに簡単に作ることが出来ます。見た目もかわいらしい一口サイズなので、パーティのフィンガーフードとしてもお勧めです。
寿司酢を作る際、一般的には酢の持つ酸味を和らげるためにかなりの量の白砂糖が使われていますが、マクロビ的には南国産の食材は体を冷やしすぎるものとしてサトウキビが原料となる白砂糖の使用を制限しています。そこで今回は、白砂糖を使わずに夏みかんの果汁で寿司酢を作ります!
優しい味わいの酢飯のアクセントには梅干しと大葉を。どちらも食中毒予防に効果的な食材です。湿気の多い梅雨時は細菌の繁殖しやすい季節でもあり、体調もなんとなくすぐれなかったりしますね。旬の食材を上手に組み合わせて、食中毒予防、体調管理を心掛けましょう。
【旬の食材】夏みかん
「夏みかん」は春から夏にかけて旬を迎える柑橘類で、現在は酸味の少ない甘夏みかんが栽培の主流となっています。豊富に含まれるビタミンCは美肌効果と風邪の予防、ビタミンB1は糖質の代謝に、クエン酸は疲労回復に効果的です。柑橘類の皮に含まれるd-リモネンという成分には脂肪分解作用があるので、脂っこいお料理を頂く際に上手に取り入れると、ダイエット効果も期待できます。
マクロビ的には温帯地域で取れるフルーツを週に数回摂ることを勧めていますが、摂り過ぎるとフルーツの持つ陰性のエネルギーが体を冷やしすぎてしまうと考えます。そのため、食べ方の工夫として常温に戻したり、自然塩少々を振ったり、加熱したり、ドライにしたりして取り入れると良いとされているのです。昔からスイカに塩をかけたり、柿は干し柿にするなど、体を冷やすと言われるものが、そういった食べ方をされるのも納得ですね。
今回のレシピでは夏みかんに塩を合わせて寿司酢にして使います。じめじめとした湿気の多い季節に、夏みかんの爽やかさが心身ともにしみわたり、元気になること間違いなしですよ!
2014.06.13(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平