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 およそ620年続いたオスマン帝国の美しき産物と言えるのはモスク、宮殿などの建築芸術。高い技術を携えた建築家によるモスク建立の舞台裏、煌びやかな宮殿の女性たちの暮らしを映すハレムのインテリアなど、壮大な歴史の足跡を感じながら名所を巡ってみたい。


頑丈な門の奥に佇むハレムと煌びやかな宝物館の優雅

 イスタンブールの旧市街、小高い丘に建つトプカプ宮殿は、15世紀から19世紀にかけてオスマン帝国のスルタン(皇帝)の居住地であり、行政本部としての役割を果たしていた。

 “挨拶の門”をくぐった庭園の先にハレムがある。スルタンの母や4人の妻、側室たちの部屋のほか、祭事や宴が催されていた“皇帝の間”、食事をとっていた“フルーツの間”などの一部を公開。

 ハレムで生活していた女性たちは書くことを禁じられていたため暮らしぶりは記録に残っていないが、堅実な生活を送っていたと言われている。

 この宮殿のもう一つの見どころが宝物館。オスマン帝国時代のイスタンブールは、一度も侵略を受けていなかったため、多くの宝石が保存。

 86カラットの“スプーン・ダイヤモンド”を始めとした装飾品が、華やかな時代を彷彿とさせる。

Topkapi Sarahi Muzesi(トプカプ宮殿博物館)

所在地 No:1,Sultanahmet Fatih İstanbul
電話番号 0212 512 0480
開館時間 9:00~18:00
定休日 火曜
料金 2,400TL
https://millisaraylar.gov.tr/Lokasyon/2/Topkapi -Palace

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2025.07.22(火)
文=梅崎奈津子
写真=杉山拓也
コーディネイト=松井和花

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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