従来の枠にとらわれることなく、豊かな発想力と確かな実力で書の世界を切り拓いてきた書家・武田双雲氏。日本橋三越本店では、3回目となる個展を2025年7月21日(月・祝)まで開催中。

50歳という節目を迎える本展では「原天回帰~anew~」をテーマに、書の原点に立ち返った新作を発表した。「原天回帰」とは、“原点”を“原天”と表現することで、たった一つの点から始まった双雲氏の書が天へと羽ばたき、多くの人々を包み込むように――という願いが込められている。
また、これまで無意識のうちに身につけてきたプライドや思い込み、信念など、凝り固まったものを一度手放し、双雲氏が新たな気持ちで書に向き合った、約250点を展示。常に新たな驚きをもたらしてきた双雲氏の書の世界が、さらに深化し進化する本展にぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
【箔】
金沢では400年もの箔打ちの歴史があり、その伝統を守り抜いてきた意志と技術に双雲氏が心動かされ、作品制作を行ってきた。今回初めて掛け軸の制作に挑戦し、金沢の金箔工芸「箔一」の金箔を使用した緊張感と静謐さが漂う作品が登場。

【越前和紙】
1400年以上の歴史をもつ越前和紙。美しい山々からの伏流水を使用し、最高峰の技術を持った職人の方々と共に感謝の気持ちを抱きながら制作した。和紙が乾く前に双雲氏が直接手と指を使って文字を書いた作品。



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2025.07.10(木)
文=CREA編集部