■居心地のいいカフェでアフタヌーンティー

温泉に入ってリラックスしたら、湖のほとりを散歩してゲスト専用のカフェへ。1泊5食付きの2食目・アフタヌーンティーの時間です。熱帯モンスーン気候の屏東県は果物も豊富。フルーツは好きな組み合わせで注文してから、ジュースやカットフルーツにしてくれます。
パッションフルーツやパイナップルは甘くておいしいし、ビタミン補給に欠かせないグアバ、屏東県が最大の産地である蓮霧(レンブー)はリンゴと梨の間みたいなシャリシャリとした食感でみずみずしい。
小腹を満たすおやつは、台湾のハンバーガーとも呼ばれる角煮まんじゅうの刈包(グァバオ)、冷たくて優しい甘さの銀耳蓮子湯(リャンズーインユータン)は、白きくらげや蓮の実が入ったスイーツで、免疫力や美肌、アンチエイジングの味方なのだとか。
木陰の風が心地良くて、ずっと座っていたくなるカフェでした。美容にいいものばかりだし、また、温泉に入れば大丈夫と、美味しくいただいてしまいます。
■旭海で獲れた大きな車海老のエビチリソース


宿の食事は、新鮮な地元の素材をオーガニックな調味料で料理しています。メニューに書かれた献立も叙情的な料理名で地域の物語を読んでいるよう。
そして、こんなに贅沢なエビチリソースがあるでしょうか。旭海の漁師が獲った車海老をその日のうちに調理したエビチリソース、お頭付きでどんと2尾! 大きな海老をほおばれば、ぷりっとふんわり、豊かな海の旨味がひろがって、あまりの美味しさに天を仰ぎます。

極上カルビステーキの後に、しめの3品。「漁村の交響楽」をストーリーにした海鮮スープ、「朝露に包まれた田園」は、秘境ならではの原始林に生息するオオタニワタリの炒め物、「稲刈りの喜び」は、桜海老と玉ねぎのチャーハンです。
屏東県は甘くて美味しい玉葱の名産地、そして、なんと桜海老は日本の静岡県と台湾の東海岸でしか獲れないと知りました。このチャーハンが、とてつもなく美味しかった。もちもちとした食感のお米と具材の旨味が絶妙にまじりあって、優しい味わいなのに自然の力がぎゅっと感じられました。お腹いっぱい食べても体にすっと馴染んでいくようなお料理でした。
■夜食は部屋まで運んでくれる

どうしても1泊5食を体験してみたくて、夜食も注文。「お粥と汁ビーフンがありますが、どちらにしますか? 小さいポーションですから両方お持ちしましょうか?」と、スタッフさんの優しい言葉に甘えて2種類。
焦がし葱とピータンのコクがたまらないお粥、そして、鶏の出汁が心に沁みる汁ビーフン。甲乙つけがたしの美味しさで、きっとまた泊まったら、また夜食をたのんでしまうことでしょう。さて、食休みをしたら温泉に入ろう。
2025.06.07(土)
文・写真=石井宏子