この記事の連載
散歩してるとみんな犬を褒めて、僕には気づかない

――おうちを建てたのも、犬と一緒に暮らしたいという思いがあってのことだったんですか。
そうですね。その後、コンビを急に解散することになって。ピンになった1週間後、2年半前に予約していた車も来てしまって。解散する前にキャッシュで払うと決めていたので、お金が一気になくなって焦りました。ただ、犬を引き取ったことはもちろん、家も車も買っておいて本当によかったと思ってます。解散したあとやったら買ってる場合じゃないなと思ってたでしょうからね。この1年間は、芸人さんとか事務所の社員さんとかいろんな人に助けてもらってなんとか乗り切れたので、ここからさらに頑張ろうという感じですよね。子供も産まれて、守るべきものがあることも仕事への意欲につながっています。

――念願だった犬との生活はいかがですか?
楽しいですね、やっぱり。何よりかわいくてしょうがないです。ほんまに、むちゃくちゃかわいい! 結局、僕らが2匹を引き取ってから少し遅れて、お義母さんも同じ保護団体でトイプードル1匹を引き取ったんです。先日、千葉の小谷流の里 ドギーズアイランドっていうペットと遊べる施設へ、一緒に行ってきました。そこで2匹がプリントされたトレーナーとカバンを作ったんですけど、使うチャンスなくて。……今日着てきたらよかったです(笑)。
――確かに絶好のタイミングでしたね。仕事から家に帰ってくると出迎えてくれたりするんじゃないですか。
あれ、めちゃくちゃ嬉しいです。ただ、ビスマルクは最近「ただいま」って声をかけても小屋から出てこないんです。生意気になってきてますねぇ(笑)。2匹とも、僕の太ももの上に乗るのが好きで。特にビスマルクが好きなんですけど、全然出てこぅへんやんけと思いながらソファに座ると、トコトコトコと歩いてきて、ちょんと太ももの上に乗ってくるんです。それはそれでかわいくて、癒されてます。

――話しかけたりもしますか?
気づいたら話しかけてますね。ふふふ……何言ってるんやろうなぁ?「ビシュくん! ね!」とかただただ名前を呼んだりして。いてくれるだけで嬉しいですし、犬がいてくれることも含めて家ではすごくリラックスできてますね。家を買って2年ちょっと経ちますけど、こだわって作ったのでまだ楽しいです。お風呂に入ってる時、“あぁ、この家建てたんやぁ”ってしみじみと思ったりしてますね。
ただね、子供が産まれてから、2匹が赤ちゃん返りしてるんですよ。子供を敵とは思ってないんでしょうけど、“なんやこいつ。俺らと同じくらいの大きさのヤツがいきなり来て、むっちゃかわいがられてるな。しかも、大きなるん早いな”って思っていそうで。かまってアピールする時もありますし、パッと見ると寂しそうにしてたりするのを見ると、ちょっとかわいそうやなと思ったりしてます。僕が仕事で家を空けてる間、ワイフは赤ちゃんと犬の世話をしないといけないので大変ですしね。

――家事は一緒にされているんですか。
そのつもりではあります。何をするとかきっちり分けてるわけじゃないですけど、赤ちゃんをお風呂に入れたり、犬のトイレ掃除は僕がすることが多いですね。犬の散歩は一緒に行くことが多いんですけど、以前はほぼ毎日行ってたのに、赤ちゃんが生まれてから行く機会が減っていてかわいそうやなと思っているところです。
外の世界が好きなので、先日行った施設のドッグランでは2匹ともめちゃくちゃ走り回ってて。お友達もいっぱいいるから、めっちゃ楽しそうにしていました。
――ご近所の犬コミュニティもできましたか?
仲良くしたいんですけど、レオナルドが吠えるのであんまりできてないですね(笑)。飼い主さんと挨拶はするんですけど、吠えるので「あぁ、すみません! ごめんなさい!」ってなっちゃって。吠えることさえなくなればお友達もできるんじゃないかなと思っているので、しつけ教室みたいなところに行こうかなと考えているところです。
散歩をしてると「わぁ、かわいい~!」って声をかけられることが多くて。みんな犬に夢中で、僕には気づかないのはちょっとだけ寂しいですね。
2025.05.30(金)
文=高本亜紀
撮影=釜谷洋史
写真=兼光タカシ