この記事の連載
『目元のクマ・たるみ解消法』奥田逸子先生インタビュー
『目元のクマ・たるみ解消法』表情筋エクササイズ
表情筋エクササイズは何歳からでもOK!

――これまで表情筋をしっかり使っていなかった人でも、エクササイズを行えば、本当に鍛えられるのでしょうか? 「年だから無理」「今さらやっても」などと思ったりしてしまうのですが……。
奥田 今まで私の研究に参加した人たちで、顔が変化しない人はいなかったので、何歳からでも大丈夫ですよ。ボディビルダーって、若い方だけではなく70代、80代の方もいますよね。表情筋も筋肉の一種なので、何歳でも鍛えたら鍛えた分、増えていきます。
私の研究に参加してくれた女性の最高齢は70代の方ですが、その方も私が考案した表情筋エクササイズを行ったら、筋肉が増えました。また、以前TV番組でタレントさん数人に3週間にわたってエクササイズを行ってもらい頬の位置を計測したところ、60代の女優さんのほっぺたが、3週間で1センチぐらい上がったんです!
他の人たちもほうれい線の影が薄くなったり、目の下のくぼみが改善されたりなどと結果を出していましたから、「年だから無理」なんてことはありません。


●CTビフォー・アフター画像提供
『顔のたるみしわ・老け・顔太り自力で一掃!名医が教える最新1分美顔術』(文響社)
――それは希望が持てますね。表情筋エクササイズを続けると、若いころのような顔に戻れるのでしょうか?
奥田 顔の筋肉は、何もしないでいると20代から減り始めます。それが目立ってくるのは30代後半ぐらい。顔の筋肉は必ずしも体の筋肉と連動しているわけではないので、なかなか気がつきにくいんです。体って割とみんなすぐに「ここがああなった」「こうなった」って気にしますけど、顔についてはあまり考えない。だから、体はマッチョなんだけど、顔の筋肉はあんまり……という方は実際に多いです。
たるみに関していえば、「SMAS(スマス)筋膜」といって、頬の辺りから側頭部の筋肉を覆っている筋膜があって、一度伸びると元には戻りません。でも、ハリを持たせることはできる。皮膚もそうですよね。何もお手入れをしていない人はたるみがちですが、しっかりと化粧水を入れて乳液を塗っていくと、少しずつハリが戻ってくる。
それと同じで、筋膜を支えている表情筋を鍛えると、だらんとなってしおれていた顔にハリが出る。うちわの中の筋を1本1本張り替えるとうちわがピンとするのと一緒で、内部にある筋肉、つまり頬筋や眼輪筋などを一つ一つしっかりさせていけば、支柱ができて顔全体のハリも蘇ります。つまり、若さをキープする要はやっぱり筋肉なんですね。
それに顔を鍛えると、やればやるだけご褒美が自分に返ってきますし、心も晴れやかになって、単純に気持ちがいい。ぜひ私と一緒に顔を鍛えて、毎日を笑顔で過ごしましょう。
奥田逸子(おくだ・いつこ)
医師・医学博士。国際医療福祉大学三田病院 放射線診断センター/同大学医学部准教授、久留米大学 医学部解剖学講座 客員教授。四半世紀以上、画像診断を続けてきた経験から「加齢を画像で診る」研究をスタート。自分自身でできる美顔体操を考案・普及させている。「ガッテン」「あさイチ」(NHK)などアンチエイジングに関するテレビ出演で大反響となり、講演も多数行う。研究は主に加齢画像研究所 ONIで行っている。著書多数。

目元のクマ・たるみ解消法
定価 1,320円(税込)
内外出版社
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2025.05.30(金)
取材・文=にらさわあきこ
撮影=釜谷洋史