この記事の連載
井田千秋&山本ゆり対談【前篇】
井田千秋&山本ゆり対談【後篇】
気持ちも満たされる手作りお菓子
井田 山本さんのレシピで、ジップロックで作るチョコレート・チーズケーキをよく作ってます。
たしかバレンタイン時期にXにアップされてたと思うんですけど。レンジで4~5分加熱するだけなのに、長時間焼いて1日寝かせたやつの味がする! びっくりです。
山本 オーブンで焼くと50分くらいはかかってしまう。オーブンより手軽なので、レンジやトースターのレシピが増えましたね。
井田 私はチーズケーキが好きでよく作るんです。チーズケーキは基本、手順通りに混ぜて焼いたら失敗しない。スポンジケーキだとふくらまないことが多くて若干トラウマみたいになってます(笑)。
山本 スポンジはちょっと難しいですよね。チーズケーキならお店で売ってるのと遜色ないくらいのもできちゃう。
井田 しかもチーズケーキはボリュームがあるので、いっぺんに食べ切らない。「冷蔵庫にまだあるなぁ」と思うとうれしくて。

フライパンで作る“蒸しパン”
――山本さんは、よく作るお菓子はありますか?
山本 私自身は辛党で食べたい欲はそれほどでもないのに、不思議と作りたい気持ちはありますね。最近ハマってるのは、フライパンに水を張って作る湯せん焼き。きのう蒸しパンを作ってみました。蒸しパンってレンジで作ると、できたてはフワフワやけど、冷めるとどうしても固くなってしまう。でも、蒸し器を使うとなるとハードルが上がりますよね。なので、紙コップの底をお弁当用のアルミカップで覆って、フライパンに並べて水を注いで……。
井田 紙コップの底をアルミカップで覆えば水が入ってこない(笑)!
山本 そうです、水しみ対策はこれでキマリ! これを使っていろいろレシピを作ってみようと思ってます。
――道具の使い方の面でも、日々アイディアを工夫しているんですね。
山本 型が違うとでき上がりも違ってくると子どもの頃に思い知っているので、全員が失敗なく作れるものにしたいなと。紙コップはどの家にもあるから、最近よく使いますね。
お菓子のレシピは喜んでもらえることが多いんですが、おかずとちがって生活のための料理じゃないからかな、と思います。趣味の料理、楽しみの料理ですね。だから、おかずやご飯ものでも、みんなが楽しめる、作ってみたくなるレシピを考えていきたいです。

井田千秋(いだ・ちあき)
細やかで生活に寄り添った描写で愛されるイラストレーター・漫画家。著書に『家が好きな人』(実業之日本社)、『わたしの塗り絵BOOK 憧れのお店屋さん』(日本ヴォーグ社)など。児童書の挿絵に『へんくつさんのお茶会』(Gakken)、『ぼくのまつり縫い』シリーズ(偕成社)など。
山本ゆり(やまもと・ゆり)
料理コラムニスト。『syunkonカフェごはん』シリーズ(宝島社)が累計800万部。エッセイ本『おしゃべりな人見知り』(扶桑社)やブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」も人気。

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2025.05.24(土)
文=粟生こずえ