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賞の裏側がリアルすぎて凄かったです。
宮脇書店境港店 林雅子さん
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作家という業をひとり背負って荒野に立ち尽くす、作家・天羽カイン。その気高い後ろ姿から目が離せない。
作家という、数多の世界を創り出せる雲の上のような人たち。そんな人たちも人間で、同じように欲もあり、欲するものがあり、もがき苦しんでいる。作家さんも人間なんだと、当たり前のことに今更ながら気がついた。
出版業界を知る上でも貴重な1冊。
文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子さん
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今回もまた読者を圧倒する筆致に作品(作者)とがっぷり四つで真正面から向き合う読書時間だった。村山由佳作品を読む時は何時も体力勝負。一文、一言から物凄い圧を感じ、「目を逸らすな」「本気で向き合え」という他の作家では味わえない全身全霊の読書体験となるからだ。
書店員、特に小説に関わる担当者は必読の一冊。作家の本気に触れ、書店員として燃え滾っています。
紀伊國屋書店仙台店 齊藤一弥さん
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いやー、こういうの大好きですね! 村山さんが書く売れっ子作家なんて面白いに決まってる!
私が陶酔してきた小説たちはきっとこんなふうに生まれてきたのでしょう。改めて、それぞれの才能の尊さを感じました!
天羽カインが語る読者への気遣いも、こんなにわかってくれてるのかと嬉しくなる……!
紀伊國屋書店京橋店 坂上麻季さん
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無欲な人もいるのだろうけど、大なり小なり承認欲求というものは埋み火のようにおよそ人の心の中に巣食っているものではないだろうか。天羽カインを他人事と思える人がどれほどいるのだろう。
思いもよらない結末は胸を抉るような衝撃だった。にもかかわらずどこか清々しさが感じられる終幕がとても印象に残った。
六本松 蔦屋書店 峯多美子さん
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とにかくおもしろかったの一言ですが、それと同時に恐ろしさも感じました。天羽さんにとっての直木賞は、他の誰かにとって別の何かであるとは思いますし、私自身何かにそこまで固執して、何が何でも欲しいと思ったことがないのですが、「何が何でも欲しい」と躍起になって目指す姿は、醜くも美しいものかもしれないですね。
今井書店出雲店 島田優紀さん


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文藝春秋
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2025.04.29(火)