村山由佳さんの最新刊『PRIZE―プライズ―』が2025年1月8日(水)に発売となり、早くも5刷重版が決定。「そこまで書いちゃっていいの?!」と話題沸騰中の本作を、現場の書店員はどのように受け取ったのか。寄せられたご感想を紹介します。(全4回のうちの3回目)


小説家の作品に対する情熱、妥協なく賞に食らいつく思いには脱帽。物語であるがとてもリアルで人間味がありました。未来屋書店武蔵狭山店 柴田路子さん

『オール讀物』掲載、文藝春秋発行だからこそ出来た、直木賞にまつわる作品。大っ変面白かったです。忖度を感じさせない直木賞への様々な視点からの意見、システム、影響力、そのすべてを盛り込みながらも、作家と編集者の関係性やサスペンス的な話運びも丹念に取り入れ、そして「そう畳むのか」という圧巻のラスト。
2025年「今年オススメはこれ!」と猛プッシュできる作品が新年明けてすぐに発売されるのが、とても嬉しいです。
田村書店吹田さんくす店 村上望美さん

凄い! この作品を書いた村山先生も凄いが、発行を許す文藝春秋さんも凄い。
2025年のNo.1作品が、早くも出てしまいました。作家と編集者の執念を知り、一冊一冊、大切に販売していかなきゃという思いを強く感じさせられました。
本の王国知多イトーヨーカドー店 莨谷俊幸さん

我が子である作品を差し出し世の中に問う魔法の鍵を持つのは産み出した作家一人だが、その扉を開けるのは編集者と二人だけだ。しかし輝かしく見える向こうには、微笑みながら無慈悲に作家を蹴り上げる小説の神が待ち受ける。
プライドと才能をさらけ出し無垢な赤子のように泣き笑う、遠慮のない本当に美しい物語だった
大盛堂書店 山本亮さん

すごい本を読んだ。
ここまで作家や編集者、出版社の内情を赤裸々に書いていいのか? と読んでいて不安になる。しかしそれ以上に引き込まれる。直木賞を求めてやまない作家の苛烈さ、その眩しく甘い渇望に追走し翻弄される編集者たち。自分たちが魅了される物語は、こんなにも激しく狂おしい渦の中から生まれるのだと。震えた。
くまざわ書店松戸店 加藤敏之さん

2025.04.29(火)