
土屋太鳳さんのインタビュー後篇では、体が資本の舞台において、日頃から土屋さんが意識していることや、自身の「取り扱い説明書」や最近初体験したという、とある出来事についても語ってもらいました。
みんなに「大好きだよ、大好きだよ」と伝える

――舞台は体が資本ともよく言われます。土屋さんは『今際の国のアリス』シリーズなどでもその肉体の俊敏性、柔軟性をいかんなく発揮されていますが、日頃から体力づくりで意識していることはありますか?
本当に体は資本だと思います。大事にしていることで言うと、最近お野菜を増やして、せいろで蒸した温かいお肉やお野菜とか体にいいものをいただくようにしています。水分もたっぷり摂るように意識しています。
そのほかは走ったり、ストレッチをしたり、発声をしたり。特に発声は自分のストレス発散にもなるので、1時間くらいかけてやっています。時間がないときは移動中にやるので、舞台中はほぼ車の中で発声していると思います(笑)。
――発声は、メンタルにすごくつながっているそうですね。
そうなんです! アスリートの方々も、心のメンテナンスのときに発声していると伺ったことがあります。発声をしていないと、上手に声が出せなかったりする。それが心が疲れるきっかけになっちゃったりするんですよね。
私自身、20代前半は発声の仕方がわからなかったです。改善したくて発声を始めるようになったら、しっかり響きを使った発声ができるようになったので、とても楽になりました。発声以外では呼吸法もすごく意識しています。

――心身のメンテナンス、自分のプラスになる今のようなことは、20代のうちにこつこつ身に着けていったのですか?
最近、「自分の取扱説明書ってこういうことなのか!」と思うようになりました。少しでも気持ちを軽くするためには、呼吸やストレッチ、走ることが必要で、根本は食べるものだなと行きついた感じです。
――心がご機嫌でいるための土屋さんの取説は、ほかに何かありますか?
みんなに「大好きだよ、大好きだよ」と伝えると、なんかすごく楽になります。あと「ありがとう」と言うようにもしています。
「ありがとう」と言うことが、一番心が安定するらしいです。言葉の持つ力みたいなものを感じます。
相手に言っていることを、脳は自分に言っていると勘違いするそうなんです。それぐらい脳はすごく素直だから、心があたたかくなる言葉をたくさん言って、脳を和らげてあげることが大事なのかなと思っています。
2025.04.18(金)
文=赤山恭子
写真=佐藤 亘
ヘア&メイク=尾曲いずみ
スタイリスト=藤本大輔(tas)