「虎に翼」出演でブレイク中! 井上祐貴の最新作は“魔法使い”

 4人の青年たちの青春を描いた映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』が2月21日より全国公開を迎える。

 舞台は小さな田舎の村。その村の少年たちは、18歳になるとタイトルの通り「人生で一度だけ魔法を使える」ことを知らされる。18歳を迎えるアキト(八木勇征)、ハルヒ(井上祐貴)、ナツキ(櫻井海音)、ユキオ(椿 泰我)は、一度きりのチャンスをどう使うかという、大きな選択を迫られる。

 本作で、生まれつき体が弱く仲間たちに守られるように成長してきたハルヒを演じたのは井上祐貴さん。井上さんは、昨年放送された連続テレビ小説「虎に翼」で主人公・寅子(伊藤沙莉)の再婚相手・星航一(岡田将生)の長男・朋一を好演し、注目を集めた俳優だ。さらに現在はTBSドラマ「地獄の果てまで連れていく」にも出演しており、2025年はさらなる飛躍を感じさせる。

 CREA WEBでは、井上さんの人柄を探るべく、デビュー後の快進撃についてや、とある先輩俳優との交流・プライベートに至るまでディープに語ってもらった。


八木勇征、櫻井海音、椿泰我……人見知りたちの初対面

――『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』では、生まれつき体が弱く心優しいハルヒを演じました。はつらつとした役柄が多かった井上さんのイメージにない役でしたが、演じることに意外性はありましたか?

 台本を読んで、自分が演じる想像は割とすぐについたかもしれないです。「うわ、どうしよう、どんな感じだろう!?」と戸惑うことは、あまりなかったですね。どちらかと言うと、役というよりも「魔法が使える」というファンタジーの要素を含んだ作品の内容に意外性や面白みを感じていました。

――ハルヒと井上さんは、性格的に似ているところもあったんですか?

 そうですね! ハルヒは自分のことも大事にしていますけど、自分の大切な人が笑っているのを見ているのが好き、という人間です。みんな持っている感情かもしれないですが、僕もそこが共通しているところでした。

 ハルヒは生まれつき病弱で友達関係もうまくなかったけど、幼少期にアキトに仲間に入れてもらったことで少しずつ前を向いたんですよね。なのでアキトに対する思いは、ほかの人とはちょっと違うものがある、その部分にもすごく共感しました。

――アキトやハルヒら4人は、とても深い絆でつながっています。演じた八木さん、櫻井さん、椿さんとは初共演かと思いますが、最初から打ち解けて撮影に臨めましたか?

 それが、僕たちは4人とも全員人見知りで……(笑)。本読みと撮影前のお祓いを受ける日が同じで、その日が「はじめまして」だったんです。あのときは、ほとんどしゃべった記憶がないくらい。みんなきっと「何話せばいいんだろう……」となっていたと思います。

 その後、クランクイン前に2回ほど、魔法会議の長いシーンのリハーサルを4人でさせてもらって、リハーサルの休憩中に話せたりして、一気に距離が縮まった感じがありました。知れば知るほど、みんな話し始めたら止まらないタイプで(笑)。だから、最後のほうは何かしらずっとしゃべっていた気がしますね。

2025.02.20(木)
文=赤山恭子
撮影=鈴木七絵