
肩こりが気になるときにツボを押したり、風邪を引いたら葛根湯を飲んだりとヘルスケアに密着している東洋医学。効いている気はするけれど本当のところどうなのか。そんな疑問に答えるのが本書だ。近年、西洋医学的な研究で明らかになった東洋医学のメカニズムを科学的に解説している。
「NHKの番組『東洋医学 ホントのチカラ』を手がけたディレクターで著者のおひとりである山本さんからお声がけいただき企画をスタート。鍼灸の施術所は全国で7万を超えコンビニより多い。身近で関心が高いテーマだと考えました」(担当編集者の出口拓実さん)
東洋医学に詳しい医師が共著者を務め、鍼灸で痛みが和らぐ理由や、うつ症状改善への効果、漢方薬の作用などを世界各国の最新知見をもとに解説。一方で東洋医学の臨床研究の難しさなども明かされている。最終章にはツボのセルフケア紹介も。東洋医学を取り上げた「NHKスペシャル」の放送と刊行が重なったことや、健康に関する本であることから、普段ブルーバックスを手に取らない層にも届いたのでは、と分析。
「より多くの読者に届けるため、コミカライズも計画しています。東洋医学は西洋医学と対立するものではなく、両者をうまく組み合わせることでQOLの向上につながるのではないかということが伝わったらうれしいですね」(出口さん)


東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム
定価 1,210円(税込)
講談社
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2025.04.11(金)
文=長谷川未緒