使われた曲は半分くらい。庵野監督の場合は…

「『御上先生』のサントラが3月に出たんですけれども、それは27曲入りなんです。なので70曲納品しているけど、実際使われたのは27曲プラスアルファで大体30曲、半分ぐらいなんですよね。でもそれくらいが僕は適量だと思っていて。エヴァのときなんか3倍は納品していました。そうしないと庵野(秀明)監督は好みが激しいので。使わなかった曲は自分でストックしますしね」

『御上先生』がヒットし、他のドラマから声をかけられることが増えるのではと尋ねるとーー。

「いやいや、僕はもう老兵ですから(笑)。音楽ってジェネレーションがすごく大事なんですよ。最近は若い人が音楽を聴かなくなったとか言うけど、そんなことは決してない。いついかなるときも音楽って若い人が一番聴いてるんですよ。少子化だからパイが小さくなってるだけのことで。それに社会に対する不満は、若い人に歌ってもらったほうが絶対いいんです。若い人が上の世代に不満を言うのは、自然なこと。僕らが『老害』って言われるのは、いいこととか悪いこととかいう以前に、自然なことなんですよ」

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 対談では、鷺巣が作曲家になった理由、才能豊かな父親のもとで育った幼少期や、普段の創作方法についても語られた。インタビューの全文は『週刊文春 電子版』および3月27日発売の『週刊文春』で読むことができる。

2025.04.06(日)
文=「週刊文春」編集部