③リタッチができない→時間と料金がかかる

 縮毛矯正を繰り返されている方の多くは、「前髪ストレート」や「根元のリタッチ」など、伸びてきた根元部分にポイント使いして、部分的にリタッチしているはずです。

 酸性ストレートはこのような部分的な施術はせず、髪全体に施す必要があります。これは、酸性ストレートに一時的に髪が艶々になる効果があることに起因しています。一部にだけ施術すると、施術部分のみが艶々になり、ヘアスタイル全体を見たときに不自然な印象になってしまうのです。

 それ故にほとんどの美容室では、リタッチは実施せず、「髪全体に改めて施す」という施術方法をとっています。結果として、毎回料金(多くの美容室では2万円前後)と施術時間(180分以上)がかかるため、そのことを考慮する必要があります。

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④美容師によって技術の個人差がある

 お客さまからすると、縮毛矯正と酸性ストレートの工程には、ほとんど違いがないように見えると思います。ですが、美容師は酸性ストレートの場合、新たに覚えた知識と技術を駆使して施術しているのです。そして、まだ新しい薬剤のため、美容師や美容室ごとに経験値の差があり、仕上がりも異なるのが現状です。

 これから普及していく段階でもあるため、酸性ストレートをまだ導入していないお店も多くあります。

今後の技術の成熟に期待

 酸性ストレートの技術は、全国の美容師さんの試行錯誤によってこれからブラッシュアップされていく段階にあります。ネガティブな部分にも多く言及しましたが、基本的には安全性が高いのでお気軽にご利用いただける施術です。

 今回お話しした留意点も、今後解消方法が見つかり、ますます手軽に利用できる技術になっていくことと思います。今後の技術の成熟を期待して待ちましょう。

2025.04.05(土)
文=操作イトウ
写真=Aflo