地球のダイナミズムと人間の営みの関りを感じる「史跡 佐渡金山」へ

 鉱山町・相川をそぞろ歩いたら、いよいよ金銀の採掘場跡である「史跡 佐渡金山」へ。

 約400年間で金78トン、銀2330トンを産出した佐渡金銀山。ここでは江戸から明治、平成までに掘られた坑道が見学できます。学術的にも貴重な大切山坑は冬期は凍結のため見学することはできませんが、江戸時代に開発された手掘り坑道を歩く「宗太夫坑」と「道遊の割戸」や近代の坑道跡などを堪能できる「道遊坑」は年間を通じて見学が可能です。

 世界遺産に登録されたのは、江戸時代における佐渡金銀山の「手工業による金生産技術」による部分ですが、それぞれの時代に、それぞれの金と人間との関わりがありました。

 佐渡金銀山の特徴は豊かな鉱床と、徳川幕府による組織化やその後の近代の北沢浮遊選鉱場を代表する、効率的かつ集約化された金の生産体制。

 地球のダイナミックな地殻変動によって誕生した佐渡島特有の豊かな金資源、そしてその金に対する人間の飽くなき欲求が生んだ佐渡金銀山は歴史のロマンを感じる場所です。

 専門のガイドがついて、歴史や成り立ちなどを説明してくれる本格的な「ガイド付 山師ツアー」の他に、坑道内を歩きながら体験するウォークスルー型アトラクション「ISLAND MIRRORGE」といった新感覚のコースも用意されています。さまざまな形で金山を体験してみるのも面白そう。

 見学コースの最後にある資料室では、本物の金塊が展示されており、実際に金塊ケースの中で触ることも。山田さんも触ってみましたが、あまりの重さにびっくり。金価格の高騰で2024年の4月に取り出しチャレンジは終了してしまいましたが、せっかくの金を触れる貴重な機会。訪れたら体験してみて。

2025.03.15(土)
文=CREA編集部
写真=杉山拓也
動画=さどやニッポン
ヘアメイク= 菅長ふみ
スタイリング=中井彩乃