ぷりっとしたコシが特徴的

 待つこと3分、今度も手際よく生そばを茹で上げ「春菊天そば」が完成した。その姿をみてテンションが上がる。そばがほんのり若草色をしている。「深大寺門前そば本舗」のそばはこの色のそばだ。そばにクロレラを練り込んでいる。そして、春菊天は鮮やかな緑色、生そばはほんのり若草色。ビジュアル的には申し分ない。

 春菊天を除けてそばをどばっと引っ張り上げてつるっとすする。そばはぷりっとしたコシが特徴的だ。これは「もりそば」で食べてもうまいに違いない。そして、春菊天の香りがたまらない。「今年は秋になっても高温で、いい春菊が手に入らなかった。最近になってようやく良いものが出まわって来ている」と女性店主が教えてくれた。

この若草色のそばが「深大寺門前そば本舗」の生そば
この若草色のそばが「深大寺門前そば本舗」の生そば

大晦日は年越しそばの販売のみ、「深大寺門前そば本舗」の若草色の生そばも

 毎年、12月30日までは通常営業で、大晦日は年越しそばの販売をしているそうだ。茹で麺のそばや天ぷらだけでなく、「深大寺門前そば本舗」の若草色の生そばも販売している。これはすてきな情報だ。

 千歳烏山は北口側の「深大寺門前そば」、そして南口側の「ファミリー」という人気の大衆そば屋がある街である。千歳烏山界隈は京王線の架橋工事が進めばずいぶんと雰囲気がかわってしまうだろう。しかし、この2店には末永く営業を続けてもらいたいと願うばかりだ。

後日食べた「本格もりそば」もうまい
後日食べた「本格もりそば」もうまい
 
 

2024.12.28(土)
文=坂崎 仁紀