調布にある名刹、深大寺。その門前に広がるのが「深大寺そば」の名店たちである。霊験あらたかな門前そばの里として観光客も多く訪れる。そば食いの人達も定期的に訪れる。ただ、鉄道駅からは遠く、車も渋滞する。週末になればどこも大混雑である。

 そんなわけで、深大寺に行かなくとも深大寺そばを気軽に味わうことができる大衆そば屋が、昭和・平成の時代にはいくつか存在した。「深大寺門前そば 千歳烏山店」もその一つである。11月末のよく晴れた土曜日、小春日和の午後2時頃、1年ぶりに訪問した。

店は千歳烏山駅から北側商店街に入ってすぐ
店は千歳烏山駅から北側商店街に入ってすぐ

ガラスケースには「おにぎり」「おはぎ」も

「深大寺門前そば 千歳烏山店」は京王線千歳烏山駅を降りて、線路北側の商店街に入ったすぐのところにある。店の入り口には「いなり」、「おにぎり」、「おはぎ」などがガラスケースに配置されて販売されている。

外にはガラスケースにおにぎりやいなりすしが並ぶ
外にはガラスケースにおにぎりやいなりすしが並ぶ

「おにぎり」はなんと9種類。近所の奥さんたちが自転車で買いに来ている。入店すると左に長いカウンター、右にテーブル席が3つほどあり、家族連れや近所のオジサンが実食中だった。店は女性店主と女性スタッフの2人で切り盛りしていた。

「おにぎり」はなんと9種類
「おにぎり」はなんと9種類

あざやかな緑色の春菊天など自家製天ぷらが並ぶ

 カウンター中央に揚げたての天ぷらが並んでいる。かき揚げ、ごぼう天、たまねぎ天、そして緑色があざやかな春菊天など。人気メニューを女性店主に聞くと「春菊天そば」、「ごぼう天そば」、「かき揚げそば」だという。さっそく、「ごぼう天そば」を注文した。すると手際よく茹で麺を湯通しして、つゆをかけて天ぷら、ネギをのせ完成だ。すばやい作業である。

カウンター中央に並ぶおいしそうな自家製天ぷら
カウンター中央に並ぶおいしそうな自家製天ぷら

2024.12.28(土)
文=坂崎 仁紀