小田部 どうでしょう(笑)。林先生はいろいろドラマも書かれますからよくご存じだと思いますが、結局そういうのは一生は続きませんからね。どこかで絶対さめてしまう。

 林 それはそうですね。

 小田部 僕は、そこまで言うならもう皇室の特権もなにも全部捨てて、お二人で好きなように暮らすべきだと思うんです。

 林 つまり、一平民として。

 小田部 そう。皇族の一時金も特権も欲しい、それでいて小室さんと一緒になりたいというところに国民は疑問を感じているわけです。もしお二人が本当の純愛なのであれば、“皇族”という立場とそれに付随するいろいろな特権を捨て、「2人で苦労しながら生きていきます」と言えばいい。そうすれば拍手する人も増えるんじゃないですか。

 林 今のままでは国費を当てにした結婚に見えてしまいますからね。

 小田部 「それ、純愛なの?」というのにわれわれ庶民は敏感です。純愛を貫くなら皇室を捨ててでも貫く、皇族として生きていくなら、もっと毅然と、大局的に結婚というものを見る。この二択しかないのではないでしょうか。

 

内親王のアイドル化

 林 圭くんの一件からたまにSNSなんか見ると、眞子さまや佳子さまに対して人間性を否定するひどい書き込みがあったりします。もしウチの娘がこんなこと書かれたらほんとに訴えてやる、という汚らしい罵詈雑言がずらずら並んでいますが、国民が当たり前に皇室を敬う時代は終わってしまったんでしょうか。

 小田部 僕は秋篠宮家の内親王お二人の場合、ある種のブームの反動だと思うんです。

 林 ブームですか?

 小田部 そう。「眞子さま萌え」「佳子さま萌え」というのが一時ありましたよね。

 林 ありました。お二人ともお可愛らしくて本当に素敵だったので、インターネットなどでアイドルのようにもてはやされました。

 小田部 まさにそれ、アイドル化。昨今の批判は、その裏返しじゃないかと思っています。たとえばアイドルが自分たちの嫌いな男と付き合ったり結婚したら、絶対攻撃しますよね? それまでそのアイドルのことが好きであればあるほど反動で敵視するようになる。

2024.12.15(日)
文=林真理子、小田部雄次