続けて、【優秀賞】4作の発表です。※講評は編集部からです。
最後まで最優秀賞を競ったのは、終活る(ふりかえる)←「まる」さんから
こちらも最優秀賞同様に、誰が、何のために、誰の人生をどう振り返るのか、それがどのように事件に関わってくるのか、というイメージの広がりがあります。人生の終盤に身辺整理をしながら「ふりかえる」という味わい深さがあり、じんわりと心に沁みるタイトルでもあります。
若返る(もどる)←「えいち」さんから
“もどる”という言葉に、若さを取り戻したいという切実な願い、あるいは失われた過去に戻りたい、という強い執着心を感じるタイトルです。誰が戻るのか、どのように戻るのか、そして何のために戻るのか、そのために起きる事件は何か…そこに秘められたドラマも気になります。
履歴る(たどる)←「You Andi」さんから
現代のデジタル化社会において“履歴”という言葉は、これまで以上に大きな意味を持つようになっています。タイトルからすでに怪しい犯罪の臭いが漂ってくるようです。“たどる”のは、ネット上に残された痕跡なのか、はたまた誰かの頭の中にある記憶なのか。さまざまな想像が広がります。
美映る(ばえる)←「地底人ラジオ」にご応募いただいた「中区のタケシ」さんから
Instagramをはじめ、現代のSNSでは「ばえる」という価値が重視されています。この「美映る」には、まず漢字の組み合わせとしての美しさがあります。そして美しく見せたいのはただの写真なのか、それとも人間の欲深さを隠した何かなのか…そんな怖さも感じるタイトルです。
続いて、【優秀賞&ガリレオ特別賞】の発表です。
今回、最も応募数が多かったのが福山雅治さんのお名前「まさはる」にどんな漢字を当てるか、というものでした。数多く寄せられたタイトルの中で、東野さんも「これは確かに“まさはる”だ!」と頷いたのが…。
「超星る(まさはる)」←「南瓜畑(かぼちゃばたけ)」さんから
2024.12.14(土)
文=「文春文庫」編集部