2024年11月14日、バルミューダから新作電気ケトル「MoonKettle」が発売されました。
バルミューダ創業者の寺尾 玄氏が「日本で一番好きな街」と語る京都にある老舗日本茶専門店「一保堂茶舗」で開催された発売記念発表会の様子も交えて、その魅力をご紹介します。
バルミューダからは、すでにコーヒーをハンドドリップで淹れられるタイプの電気ケトルが発売されていますが、今回のMoonKettleは、それとはまったく異なるアプローチで作られています。
「これまでの製品は日本人が日本の社会のために作ったものですが、MoonKettleはグローバルにむけて羽ばたかせていきたい。そこで、規格、サイズ、機能、デザインに至るまで、最初のものづくりの段階からやり方を変えて作りました。テーマはお茶。呼び出された職員室や両親が喧嘩している傍ら……お茶は人生のいろんな場面に登場し、そのときそのときに思い出があります。そしてお茶には人を和ませる力があって、飲むとリラックスできる。その素晴らしいひとときの助けになる道具を作りたいと思いました」(寺尾 玄氏)
デザインチームが2000点もの案を出し、練りに練られてできあがった電気ケトルは、よくある縦長タイプとは一線を画し、南部鉄器の鉄瓶を連想させる「やかん」の姿をしています。奈良時代頃、中国から伝わった漢方薬を煮出すために使われていた「薬罐」をモチーフにしたのだそう。
空間に月輪のようにのびのびと弧を描く「とって」部分が印象的で、本体はぽてっと丸みがあり、中国の建築物の意匠を取り入れたという電源ベースに鎮座している様は、まるでひとつの芸術作品のようです。
2024.12.11(水)
文=境野摩耶子