前略 片付けられない女子の皆様

 前回までの12回、片付けの必要性について説いてきましたが、今回からは新しい試み、6回にわたって「キッチンの片付け・仕組みづくり」について集中的に説明していきます。目指すは、“女を磨く、女をあげる”キッチン!

 理想の女性が立つキッチンはどんなキッチン? 女っぷりのいい人はキッチンでどんな行動パターンをとっているの? 想像してみて下さい。こうやって、なりたい女性像を描き、その空間に立つ自分を想像しながら暮らしをオーガナイズする。これって実はとっても大切なことなのです。

 オーガナイズとはただの整理整頓ではありません。目的を持ち、片付けのその先をしっかりと見据えながら、自分に合う整理方法を選んでいきます。自分に合ったやり方でなければ、続かない・維持できないのは当たり前。ですから、この連載の中でも、自分にできそう! なことから無理なく始めてみて下さいね。

自分が理想とする「いい女」像とは?

キッチン上部の棚の、右から2、3枚目の扉が我が家の“ゴールデンスポット”!

 朝のキッチン。以前の私は、優雅で余裕のある朝……なんてこととは無縁な生活。「はやくしなさい!」を子どもに連呼し、「時間がない!!」が口癖。まったく磨かれていない女っぷり(笑)。あっちこっちからドタンバタンと扉をあけて、パントリーにある食器棚とキッチンを行ったり来たりしていました。

「こりゃあかん!」と、妄想しましたよ、いい女になっている私を……。コーヒーの香りが漂うキッチンで、きゅっと髪を結び、アイロンのかかったエプロンをつけ、色鮮やかなお弁当を作り、美味しい朝ご飯まで用意している私を。

 しかし、実際に行ったのは“毎日きちんと立派な料理を作る!”というのをやめる、ということでした。毎日、栄養も見た目も素晴らしいお料理を作ろうとアップアップになるよりも、仕事のある平日は、無理なく・おいしく! 時短料理を心がけるようにしました。暖かい心のこもった、でも簡単な料理。いつものお皿で、いつもの通りに並んで、いつもの食卓で、家族と会話を楽しみながら食事をとる。大事なのは、これでしょ? と。

 何品ものお料理が並び、テーブルセッティングされた優雅な食卓ばかりが、いい女のテーブルではない! と、妄想する「いい女」像を変えたわけです。

 そして、「はやくしなさい」を連呼するのは大抵自分自身が時間に追われているとき、ということに気付いたので、少しでも時短できるような仕組みに、キッチンを作り替えました。

調理、盛り付け、後片付けまで時短仕様

 我が家のキッチンには食器棚が無く、キッチンから少し離れたパントリーに食器をしまっていたのですが、これが忙しくなる理由だと理解できたことで、一気にキッチンが使いやすくなりました。水回りにも調理スペースにも手が届く自分のベストポジションを定め、そこから一歩も動くことなく出し入れできる、“ゴールデンスポット”に、平日に使うお皿を収納することにしたのです。

 キッチンではとにかく歩く、しゃがむ、脚立にのる、扉をあけるなどのアクションが少なくなるように意識して物を収納しましょう。全ての物をそのようにしまうのは無理であれば、一番よく使う物だけを、アクションいらず、手間いらずな収納に収めるのがポイントです。

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2014.04.13(日)
文・撮影=鈴木尚子