旬な人が深くハマっている趣味について聞く連載。第16回は、連続テレビ小説『虎に翼』で“俺たちの轟”として注目を集める戸塚純貴さんが登場。愛車のハーレーとツーリングへ。『週刊文春WOMAN2024秋号』より一部をご紹介します。

プロフィールの資格欄には10種の特殊技能がズラリと並ぶ

 ダダダダッとエンジン音を響かせながら、愛車のハーレー・ダビッドソンとともに現れたのは、連続テレビ小説『虎に翼』で“俺たちの轟”として話題を集めた俳優の戸塚純貴。実は彼、自動車整備士を志していたほどのモーターフリークで、公式プロフィールの資格欄には、三級自動車シャシ整備士をはじめ、10種の特殊技能がズラリと並ぶ。

「子どもの頃から車やバイクが好きでした。『ピンプ・マイ・ライド~車改造大作戦!~』というアメリカの車番組を見たり。ハリウッド映画の中で車のドアをバァーンと閉めるシーン、その時のキャデラックがもうかっこよくて」

 その熱は成長しても冷めることなく、盛岡中央高校の自動車工学科へ進学。待望の普通二輪免許も、16歳になるとすぐに取得した。初めての愛車・ホンダJAZZは、離れて暮らしていた父親からのプレゼントだ。

「久しぶりに父親に会った時に『バイクが好きで』という話をしたら、同じくバイクや車が好きだった父が、母に内緒で買ってくれたんです」

 公共交通機関が少なく、16になればみな自然と教習所へ……というような土地柄。放課後は仲間で集まり、バイク専門誌を片手に、改造にも熱を上げた。

「友達と、ああだこうだ言いながらバイクをいじってるのは楽しかった。ザ・青春って感じです」

 

母親が密かに応募していたコンテストで人生が一転

 しかしその後、自動車整備士を目指して就活に励むも失敗。同時期、密かに母親が応募していたジュノン・スーパーボーイ・コンテストで“理想の恋人賞”を受賞したことで、戸塚の人生は一転する。

「子供の頃から愛嬌だけは人一倍あったので誰からも可愛がられてました。父母会の星、みたいな……(笑)。そんな様子を見ていたからか、母が僕を芸能界に入れたがっていたんです。赤ちゃんモデルや、小学生の頃にはアイドル事務所にも履歴書を送ってましたから」

2024.10.09(水)
文=大西展子