真似というのは、必ず劣化コピーになるんです。

 私の場合とは異なり、あなたは真似する人の顔が見え、距離も近いので、より気詰まりな感じは強いのではないかとお察しします。

 とはいえお隣さんも人間です。敢えてお隣さんに見られていることを意識してファッションリーダー感をこちらが押し出していくことで、お隣さんは「あ、真似していることに気づかれた」と、これ以上真似することを躊躇するかもしれません。

 真似というのは、必ず劣化コピーになるんです。ですから、どんなに真似してもお隣さんはあなたには敵わないのです。今までどおりあなたはご自分のファッションを楽しみ、さて、どこまで付いてこられるかしら? と、お隣さんで遊ぶのも良いかもしれません。

 あなたというお手本に鍛えられたお隣さんが一日も早く自分のスタイルを手に入れて、あなたからご卒業できるよう、祈っています。

text:Atsuko Komine

お化け屋敷でも痴漢にあっても「キャーッ」が言えない 30歳女性・中学校教諭の悩み〉へ続く

2024.10.01(火)
文=中野信子