「いや、自分と同級生なんですけど。一緒に入社した子なんです。たまたま自分が引き継ぐときに、一緒にやっていこうということになって」
 
 そんな同期の安藤元彦さんにも話を伺おう。ずっとふたりで働いているというのは、楽そうに見えて大変なのでは?

「まあまあ、自分ももう何年も一緒にやってるから、ある程度いろいろ知ってるんで」
 
 気心の知れた関係だということだ。なお安藤さんは沖縄ではなく高知の出身で、大阪の会社で小波津さんと知り合って現在に至る。寺町では出前も多いため、長い年月を経て培ったコンビネーションを活かしながら店を切り盛りされているようだ。

 さて、最後はラーメンで締めようか。でも、ヤキメシもいきたいよね、と話していたら、セットならお得だと声がかかる。よし、それでいきましょう。

 

ヤキメシのパラパラ具合が素晴らしい

 先に出てきたヤキメシはパラパラ具合が素晴らしく、しかも具材が変わっている。まず特筆すべきは、ゴボウとタケノコが入っている点だ。

 ゴボウの入ったヤキメシというのは、なかなか珍しいのではないだろうか。しかも、コンニャクも入っている?

「ああ、それはコンニャクじゃなく、シイタケです。あとからチャーシューも入れますから、五目炊きみたいな。タケノコが入ってるのは、もともとはロスをなくすためだったんです。下の部分を細かく切って利用するという」
 
 そうした姿勢が味に奥行きを生み出しているのだから、お見事だとしかいいようがない。そしてラーメンも、期待どおりの懐かしい味わい。

 丸鶏でとっているスープは、スッキリしていて麺との相性も抜群だ。当然ながら、ずっと変わらない味だという。
 
 ちなみにメニューのなかには「ポテト」というものがあったのだが、聞けばこれは大学芋のようなものらしい。そのすぐ下に書かれている「ゴマ団子」同様、ビールには合わないかもしれないが、子ども連れのお客さんには喜ばれそうだ。

 つまり、家族で楽しめるお店だということ。なるほど、いわれてみれば、小上がりで親子がワイワイ楽しんでいるさまが目に浮かぶ。

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北京料理 ヨイヨイ亭

大阪市天王寺区上本町4-1-16
営業時間 11:30〜22:00
定休日 火曜日
蒸し鶏 660円
ギョーザ(5ヶ) 200円
ブタ天ぷら 660円
レバニラ炒め 720円
醤油ラーメン+ヤキメシ(セット) 850円
瓶ビール 500円

2024.09.17(火)
文=印南敦史