この記事の連載

人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?

◆『ランド』山下和美/講談社

 江戸時代末期から大正時代ごろの日本を思わせる世界観。山間にある農村に暮らす少女・杏が、禁忌とされる「山の向こう」や、人間を常に見張っているという、四方を囲む神に隠された真実を探ろうとするSFファンタジー。

「読み始めの印象と中盤~終盤とがまったく異なる作品。『なんだこれは!?』の連続で、途中で読むのをやめることができず、一気読みしました。読了後のえらいものを読んでしまった……という感覚は未だに覚えています」

◆『吉祥寺少年歌劇』町田粥/祥伝社

 「吉祥寺少年歌劇」の出演者を養成する「吉祥寺音楽学校」が舞台。理想と現実の間に悩みながらも、舞台を夢見て成長していく少年たちの姿を描いた青春物語。

「男子のみで構成される伝統の歌劇団という、いわゆる男性版『宝塚』な物語。どのキャラクターもそれぞれの物語が丁寧に描かれており、さまざまな想いを抱きながら舞台に上がることを目指し、壁にぶつかり、苦しむ姿はとてもリアルで心が震えました。少年たちの成長が尊すぎる作品です。

 読み終わった後も彼らの今後や色々なストーリーに勝手に思いをはせていたらあっという間に時間が……。さらに1巻が出たタイミングで続刊が出ると思っておらず……2巻目が出た時は狂喜乱舞しました!!」

書店員すず木さんの「マンガを読むときのマイルール」

「マンガを読むのが日常行為になっており、とくにルールやルーティンがありません……。かまえず気が向いたときにふと読む。それが良いのかも……!」

2024.09.21(土)
文=大嶋律子(Giraffe)