この記事の連載
◆『ブブとミシェル ~雨上がりの天使~』コドモペーパー/トゥーヴァージンズ
堕天使が落ちてくる裏山で食材を探して散策していた少年・ミシェルは、死骸の中から卵を見つける。生まれてきた堕天使・ブブの寿命は1週間。最期まで見届けようとする孤独な少年と奇跡の物語。
「両親を病で亡くし、心に深い傷を負った少年・ミシェルと、無邪気な堕天使・ブブによる愛と絆の物語。コドモペーパー先生の絵柄と、この作品全体を流れる空気感が大好きです。かわいく奇妙で切なくて、読んでいると胸がギュッとなります。忘れかけていた大切な何かを思い出させてくれるよう。大人にこそ読んでほしいおとぎ話のような作品です」
◆『君にかわいいと叫びたい』ハッピーゼリーポンチ
桐山さんの職場にやってきた新入社員は、彼女が大切にしていた最愛の着せ替え人形そっくり。かわいいと言いたい女とかわいいと言われたい女をコメディタッチに描く、現在Xにのみ掲載のマンガ。
「会社の先輩女性と後輩女性が互いに『この人といると楽しいな、もっと仲良くなりたいな』と切実に思う様子を、丁寧に、ハッピーに、描いている。出合えてよかったね、ずっと仲良くしていてね、と泣けてくる」
◆『恋せよまやかし天使ども』卯月ココ/講談社
学校で美少女と評判の桂おとぎと完璧男子の一刻(にのまえとき)。ふたりには裏の顔もあり……。完璧を装う男女のだまし合いラブストーリー。
「スタイリッシュな絵柄で今どきの恋愛を描いています」
◆『Build a chair』加藤羽入/祥伝社
セクハラで好きなチョコレートを食べられなくなった販売員、描きたい作品を描かせてもらえないマンガ家、鬱で休職中のOL……。現代女性たちの“生きづらさ”にそっと寄り添う短編集。
「私たちは無意識にいろんなことを諦めていたんだな、と気づかせてくれる。言語化してくれることにより無意識ではなくなる。仕方ないで片付けてはいけないのだ、今の時代は闘っていいんだと鼓舞してくれる作品」
2024.09.28(土)
文=大嶋律子(Giraffe)