まず、必ず結露するので、その水分を布団に染み込ませないよう厚めにバスタオルなどを枕下に敷き込んでおきましょう。水分を継続的に布団に染み込ませ続けると、布団にカビ(黒いテンテン汚れに見える)が生えたり、ダニを多量に発生させる原因になります。結露で湿ったバスタオルは毎日交換しましょう。
またあまりにも冷たい状態で使用すると頭部の血行が悪くなったり凍傷になる可能性があります。冷却ジェル枕は直に使わず、専用カバーやタオルやバスタオルで覆って使用するようにしましょう。
ダメなことその5:ジェルマットを常用する
凍らせたりしなくても冷感を得ることのできるジェルマット(マットレス)も多く市販されています。ひんやり寝られて便利な反面、使用する際には体温を奪われ過ぎないような注意が必要です。
特に暑くて寝にくい時には足元も冷たくしたいと思われがちですが、足先が冷えるとかえって寝苦しく不快になりますし、腹部が冷えれば体調不良の元にもなります。
ジェルマットは特に気温の変動の激しい時期、朝方などは冷えすぎてしまう可能性もあります。実際の気温や体感温度、体調を見ながら取り入れ、毎日漫然と使ってしまうことは避けましょう。
ダメなことその6:24時間換気のスイッチを切る
エアコンを稼働させているからと24時間換気のスイッチを切ってしまう方がいますが、住まいにとっても身体にとっても悪影響となります。現代の住宅は気密性が高く、窓をいくつか開けての自然換気だけでは住宅全体の換気が行き届かず、高湿度になり家が傷んでしまいやすいからです。
24時間換気扇(24時間換気システム)は、たとえエアコン稼働時でも切らないのが基本です。また、常に住まいの数カ所、最低限寝室とリビングなどには「温湿度計」を設置し、湿度が70%を超えないよう換気や、できるかぎり空調家電を使いましょう。
ダメなことその7:部屋の湿度を気にしない
湿度70%下ではたとえエアコンをガンガン効かせた26度の部屋でも熱中症「警戒」状態となります(暑さ指数=WBGT値が25度以上のこと)。一方湿度40%なら気温31度以上、湿度50%なら気温29度以上でそれぞれ「警戒」状態に。それもあって「気温28度」を目指すことがなんとなく指標になっているのではないかと思われます。
「昼間はエアコンなしで堪えたのに、夕方になったら我慢できなくなって、つけちゃった」というようなことを言う方もいますが、たいてい日が落ちて外気温が下がると湿度が上がるので、当然のこと。
寝室では、気温もさることながら、高湿度環境に十分注意してください。「エアコンをつけたまま寝る」のは部屋の気温を下げるためのみならず、寝室の「低い湿度」を維持する目的も大きいことを、ぜひ知っておいていただければと思います。
2024.08.21(水)
文=藤原 千秋